むだなくおいしく「食品ロス削減」 食べ方の工夫で地球を守る

2022年2月22日

パルシステム連合会は2月3日(木)、東京・東新宿本部で、第5回「ほんもの実感!」くらしづくりアクション連続講座―「『食品ロス削減』メーカーの取り組みと家庭でできることを知ろう!」をオンラインで開催しました。

パルシステムでは「私たちの“選ぶ”が社会を変える力に」と「ほんもの実感!」くらしづくりアクションに取り組み、商品や作り手、その背景を知りむだなく使うことを進めています。生産者やメーカーと協力し、原材料を無駄なく利用した商品開発や廃棄物の有効活用など、廃棄の削減に取り組んでおり、2020年『消費者白書』の食品ロス削減特集で取り組みが紹介されました。

今回、農事組合法人和郷園(千葉県)と(株)阿波市場(徳島県)が事例報告し、組合員や役職員など約119名が参加しました。

開会にあたり商品委員会・樋口民子委員長(パルシステム埼玉理事長)は、「食品ロスは、つくる(生産者やメーカー)、流通(パルシステム)、食べる(組合員)という過程で生ずるので、それぞれ全体で取り組んでいく必要があります。この学習会をこれからの行動の参考にしていただきたい」とあいさつしました。

パルシステムの取り組みとして、余剰卵を活用したプリンなど食品ロスを減らした商品開発や、予備青果を困窮者支援に活用する仕組みの開発、だいどこログまめパルなどのアプリで食べ物を余さず使うくらしの提案などを、企画・広報部長の佐藤雅彦が紹介しました。第1回ジャパンSDGsアワードの受賞は、こうした活動が高く評価されました。

産地が抱える問題を一緒に解決。「『つくる勇気』をもらった」

和郷園の伊東忠明さんは、さつまいもやごぼうなど規格外のものを冷凍や乾燥などに加工していること、なかでもさつまいもはパルシステムからの提案でスティックにしたら好評なことを報告しました。「まさしくもったいないの商品化で『つくる勇気』をもらった、いっしょに取り組んでできたすばらしい商品」と話しました。5月にプライベートブランドの『yumyum産直さつまいもスティック』として、供給が予定されています。

右上:和郷園・伊東さん、下:阿波市場・上野さん

『鳴門産カットわかめ』取引先、阿波市場の上野伸介さんは、これまで海に戻していたB級品が海底でヘドロ化し魚介類の生息にも影響、生産者の死活問題にもつながることから廃棄ゼロをめざすことにしたと説明しました。佃煮への加工、腐りやすいめかぶは地元の大学と5年間研究重ね化粧品に。それ以外も液肥にして地元農家での試験使用が進んでいることを紹介しました。

組合員から「無駄にしたくないという気持ちはあると思いますが、問題を乗り越えて取り組みに変えるのはすごいと思います。できるだけ買い支えたい」。これを受け上野さんは「ほんとうにもったいないことをしていたと実感している。引き続き取り組んで行きたい」と思いを込めました。

食べることが地球を守ることに

環境活動推進室室長の志賀祐子は食品ロスに関する組合員アンケート(2021年)を紹介しました。認知度は97%で、3年前から3割アップ。廃棄しがちな食品は野菜が圧倒的に多いということです。2020年は食品ロスのアイデアを募集し共有する「食べきりエコ」活動、21年にはもったいない川柳を募集し、子どもから「さいごまでケチャップしぼるお母さん」という秀作もありました。「これからの地球をいかに守っていくか、という視点で食べていくことが求められています」としました。

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