「つながり、行動することで気候危機を超えていこう!」 環境・気候変動アクション2022 シンポジウム開催
2022年5月26日
パルシステム連合会は5月6日(金)、東京・東新宿本部で、環境省の担当や有識者を招きシンポジウムを開催。気候変動を止めるための課題や取り組むべきアクションについて考えました。
気候変動による災害が相次ぎ、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第6次報告でも温室効果ガスの排出量大幅削減を指摘されるなど危機感が高まる中、「パリ協定」の目標・気温上昇1.5度抑制により踏み込んだ対策を取れるかが重要な時期です。
今回、一般社団法人 Climate Integrate〈クライメート・インテグレート〉代表理事・平田仁子さんの基調講演、その後のパネルディスカッションで、2050年の脱炭素社会を見据え2030年までの気候変動を止めるアクションについて議論し、パルシステムの環境やエネルギー政策改定に関わる役職員など約200人が参加しました。
開会にあたり環境委員会・高野祐子委員長(パルシステム福島理事長)は、「パルシステムの目指す脱炭素、循環型、自然共生社会の実現に向け、今日の講演、パネルディスカッションで、気候危機を超えるためのアクションについて考え、改定につなげていきたい」とあいさつしました。
国連も脱炭素化の強いシグナルを
平田氏は基調講演の中で、気温上昇1.5度抑制について、すぐに大胆にCO₂排出削減を始めないと実現はできない非常に厳しい状況と話します。また、国連が再生可能エネルギーの普及を具体的に初めて明記したことを紹介し、脱化石燃料対策をスピードをあげてやらなくてはならない強いシグナルが発せられたと説明しました。
しかし現状は全然追いついておらず、日本を見ると石炭火力削減は先進国で最下位、脱炭素も非常に遅れています。原発事故後、省エネや再生可能エネルギーへのシフトが進んできたが、反面、火力発電所8基を新規増設中という日本の動きを懸念しました。そして、経済やエネルギーシステムを構造的に改革しなければ間に合わない、私たちも見てみぬふりや容認することなく、動きを注視していく必要があると訴えました。
組合員の「脱炭素社会のために家庭でできることは」という質問に、「学んだことや危機感、そしていま行動したら変えられることをまわりや地域に広げてもらい、その担い手になってほしい」と答えました。
「つながり、行動することで気候危機を超えていこう!」
パネルディスカッションでまず当会理事長・大信政一が、「『産直と環境のパルシステム』と称するパルシステムは様々な議論を重ね現在の政策に至るが、今日の論議を環境・エネルギー政策改定に引き継いでいきたい」とあいさつ。気候変動と生物多様性の話題では、森さんは「生物多様性は防災減災、飢餓や気候変動回避などいろいろな価値があり、生物多様性を守ることは温暖化を防ぐことになる」。清家さんは「地産地消、有機栽培や環境保全型農業は生物多様性を守り、気候変動抑制につながると思うので、こういう取り組みを後押ししていきたい」と語りました。
再生可能エネルギーが環境配慮と時に対峙することもある問題では、森さんは「基本は自然を破壊しないことだが、太陽光パネルなど必要となることも。自然と調和して行うことが大事」。1970年代からパルシステム前身生協とつながり、地域循環型・環境保全型農業を実践する工藤さんは「生物多様性を保全しながら再生可能エネルギー推進している。取り組みを次世代にもしっかり伝え、バトンをつないでいく」と語り、清家さんは「地域受容性が大きな課題で、自治体や地域の人々とていねいな話し合いや理解を深めることなどが大切」と話しました。
最後に森さんよりパルシステムに対し、「魚つき林のような魚介類の生息や生育に好影響を及ぼす森林の保全など、日本にも昔から食料資源を守る取り組みがあり、そういう先代の知恵を守り敬意を払いながら環境に配慮した事業を進めてもらいたい」と期待しました。
環境委員会・高橋宏通事務局長(当会常務執行役員)は「何かを犠牲にしてではなく、みんながそれぞれ少しずつ知恵と技術を出し合いできる取り組みを進めたい。パルシステムは今後、うちエコ診断など“2022環境・気候変動アクション”を組合員のみなさんと取り組み、気候危機を超える一助としたい」とまとめました。
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