台風15号・19号被害緊急支援募金 助成団体が活動を報告しました
2020年12月2日
パルシステムグループが組合員へ呼びかけた「台風15号被害緊急支援募金」「台風19号被害緊急支援募金」には、総額約2億円が寄せられました。募金の一部は現地で活動する被災地支援・救援団体に助成金として贈り、被災地での支援活動に使用されました。今回、助成したのべ13団体のうち3団体、および会員生協の活動報告会をオンラインにて開催しました。
報告団体
・特定非営利活動法人 ピースウィンズ・ジャパン
・一般社団法人 ピースボート災害支援センター
・特定非営利活動法人 ザ・ピープル
・パルシステム福島
ピースウインズ・ジャパン(台風15号、19号)
15号の初動対応は、千葉県内にて停電で機能停止した病院の入院患者などのヘリ搬送、怪我人の殺到で手の回らない病院の診療応援、また避難所への物資配布、在宅避難者へのニーズの調査などを実施しました。その後の数カ月間は、ボランティアセンターの応援、ブルーシート張りの講習会、支援の届かない在宅避難者への物資配布に従事しました。ブルーシート張りでは支援の職人を現場へつないだり、当組織は過去の災害支援でノウハウがあり、自衛隊やボランティアの方々への講習会も活動と並行して行いました。
19号では大きな被害が予測されていたので、スタッフを関西で事前待機させ、千曲川決壊と同時に長野市に。初動対応は、病院の水没で患者の搬送を医師等が付き添い安全に実施。また各避難所での必要な物資の調査とその配布、また福島の相馬地方やいわきの一部にも物資配布を行いました。中期的支援では、宮城県で仮設住宅の被災者に自治体の協力もいただき家電製品を提供。地域の家電屋さんと提携し、そこで必要なものを購入してもらうようクーポン券制にして約940世帯が利用しました。また直接店に行くのが困難な方のために、カタログ販売を地元企業に組み立ててもらい約200世帯が利用しました。被災者の選択肢も広げられ、地元の家電屋さんも支援できたと考えます。
パルシステムの応援金は活動に従事したスタッフの人件費や、ヘリコプター、車輌のリース料、燃料費等の一部に活用させていただきました。
ピースボート災害支援センター(台風19号)
福島県の支援に人手が足りないなか、パルシステムをはじめ、さまざまなサポートやつながりで活動できました。パルシステム福島には炊き出しやサロンに、食材と人の支援をいただき、被災者に温かくて野菜たくさんの栄養のある食事を届けることができました。「お腹だけでなく心までも満たしてくれる」と涙ながらに言われました。また発災から2カ月経っても生活環境が劣悪で秩序も保たれていない避難所で、区画の整理や段ボールベッドの導入、住民とのルール決めなどを行いました。
応援金は活動にかかわるスタッフの人件費、炊き出しやサロンの食材や運営費、仮設プレハブの改修費他に使用。パルシステムとはふだんから、「みんなの炊き出し研究所」と称し災害時の食の課題解決に取り組んでおり、それを軸に今回も活動できたと思っています。
ザ・ピープル(台風19号)
3.11の際、福島オーガニックコットンプロジェクトを立ち上げ綿の生産で農家の支援をしていたのですが、今回その地域が被災しボランティアセンターを立ち上げました。いわき市内の社会福祉協議会と協力し、住宅や綿畑の片付けのボランティアの派遣を行いました。またフードバンク利用し全国から衣類や生活用品を集め、被害が少ない家を集える場所にして支援品の受け取りやニーズの聞き取りとりなど実施しました。緊急性が高い住民には、いただいた支援金で電気カーペットを贈りました。
支援者同士情報共有は災害時大変重要になるということで、組織化へ動いています。
パルシステム福島(台風19号)
豪雨で組合員も多く被災したのですが、これほど大きな水害を想定しておらず、支援したくてもできない状況でした。その後パルシステム連合会からの緊急支援募金、また、災害支援のプロであるピースボートの協力をいただき、炊き出しとサロン運営のサポートを行いました。ふだんから連携しているザ・ピープルには物資の手配や炊き出しに協力しました。
今回の災害ではパルシステム福島単独での支援、通常業務と並行での支援活動の難しさを経験し、課題を多く感じました。組織内の人の確保や緊急時の役割分担、さらに組合員に協力を呼び掛けられるような生協組織のネットワークやマニュアルの準備、地域のボランティア団体とのネットワーク関係の構築や情報共有など、今後継続的に考え取り組んでいきたいと思います。
【最終集計のご報告】「台風19号被害緊急支援募金」1億280万647円が寄せられました