【開催報告】第33回農法研究会を開催 熊本の畑から見えた未来と、耕畜連携による国産自給飼料の深化

2026年2月19日

~生消協35周年記念トークセッションで「対等なパートナー」としての歩みを再確認~

パルシステム生産者・消費者協議会(代表幹事:小川保、以下「生消協」)は1月14日(水)、品川フロントビル(東京都港区)にて「 第33回農法研究会」を開催しました。全国から生産者、消費者、パルシステム関係者など総勢293名が参加し、持続可能な農業と地域再生に向けた実践報告および熱い議論が交わされました。

第1部:栽培の見直しと環境改善がもたらす収益向上

第1部では「ターニングポイント~熊本の畑から見えた未来~」と題し、熊本県の中原温室・作本竜寛氏(フレッシュダイレクト生産者)が登壇しました。作本氏は、大葉やパセリ栽培における作業環境の改善や水管理の徹底的な見直しを報告。苦渋の決断として作付面積を削減しつつも、収量が取れない品目を整理して注力した結果、反収(面積あたりの収穫量)の向上に成功しました。特に水管理と肥料投入の分析を改善したことで、収量は1.5倍、農薬・肥料代は3割以下に抑制。物価高騰の影響を最小限に抑えつつ収益を改善させた「稼ぐ農業」への転換事例は、参加した多くの生産者に刺激を与えました。

第2部:耕畜連携による国産自給飼料生産の最前線

第2部では「耕畜連携による国産自給飼料生産と地域農業を守る取り組み」をテーマに、2つのプロジェクトが紹介されました。

共生・循環型酪農プロジェクト(福岡県赤村)
「鳥越ネットワーク」の鳥越耕輔氏と「グリーンコープTMRセンター」の長谷川慎吾氏より、循環型産直牛乳事業と、耕作放棄地を活用した国産飼料作物栽培について報告がありました。地域の未利用資源(食品副産物)を活用し、飼料自給率の向上と地域再生を同時に実現するモデルが示されました。

子実とうもろこしの取り組み(北海道音更町・士別市)
「パル・ミート」の加藤龍一氏と「大牧農場」の五十川賢治氏より、輪作体系での飼料用とうもろこし生産のメリットが報告されました。コアフード牛の産地「ノーザンび~ふ産直協議会・榎本農場」との連携により、補助金に依存せず農業生産に負荷をかけずに国産飼料のレベルを高める挑戦が紹介されました。

第3部:生消協35周年史発刊記念トークセッション

第3部では、1980年代の設立前から今日に至るまでの歴史を記録した『生消協35周年史』の発刊を記念したトークセッションが行われました。歴代理事長や執行役員、アドバイザーが登壇し、パルシステムの産直が「消費者の小作人ではない」という生産者の自負と、それを正面から受け止めた生協側の信頼関係で成り立っていることを再確認。構造的矛盾や対立を乗り越えて築かれた現在のネットワークを、気候変動や担い手不足といった現代の課題に対しても、新たな選択肢を生み出す力に変えていく決意を共有しました。

最後に、「全国の産地を俯瞰し、社会情勢への見識を持つリーダーの活躍」や「生産者・消費者それぞれの地域づくりへの広がり」を期待する次世代へのメッセージが送られ、閉会となりました。

■開催概要

日時:2026年1月14日(水)13:30~17:00
会場:品川フロントビル会議室(東京都港区港南2-3-13)
参加者:総勢293名(生消協会員・協力会会員・パルシステム関係者)
プログラム
1. 開会挨拶:生消協代表幹事 小川保
2. 第1部 講演:作本竜寛氏(中原温室)
3. 第2部 報告:鳥越耕輔氏、長谷川慎吾氏、加藤龍一氏、五十川賢治氏
4. 第3部 トークセッション:若森資朗氏、工藤友明氏、野村和夫氏、谷口吉光氏、大津清次氏(コーディネーター:大信政一氏)

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