「IBASHOフォーラム」開催 パルシステム茨城 栃木たすけあいグループ(社会貢献活動レポート|2023年9月)

2023年9月27日

生きがいや役割をもち寄れる「居場所」を

今年5月の半ば、パルシステム茨城 栃木で主催した「IBASHO(いばしょ)フォーラム」が開催されました。
企画したのは、同生協の理事・稲毛明美さん、木村純子さん、細谷時葉(ほそやときは)さんです。「私たちは“たすけあい”というくらしの課題に関心をもって集まったグループです。2022年度から、当組合として“たすけあい”でどんな取り組みができるのか話し合ってきました」と稲毛さん。

フォーラム当日の様子

3人で話し合いを重ねるなかで、グループに “居場所づくり”というキーワードを加えたのは細谷さんでした。
「きっかけは、パルシステム共済連の福祉・たすけあい委員会での居場所づくりの学習会(※1)です。活動していくなかで、たすけあいの社会には居場所づくりが必要だと強く感じたのです。それをグループに共有したところ、私たちの住む地域で居場所づくりをすすめていこう! と目標が決まりました」

子ども食堂や外国籍親子を支援するサロン、ケアラーのための居場所、認知症家族支援の会など参加団体は多岐に。

※1:パルシステム共済生活協同組合連合会(パルシステム共済連)「福祉・たすけあい委員会」が、パルシステム2030ビジョンのひとつ、「ささえあう」の実現に向けた取り組みとして実施。居場所づくりに取り組んでいる行政・NPO法人・他生協の職員などを講師に招き、2022年度は合計7回の学習会を行いました。

交流のある団体に声がけ。個々の団体をつなぐ場を

同生協は、これまで15年にわたり「くらし活動助成基金」(※2)という制度で地域の団体を支援してきました。現在その活動も担当している木村さんは「地域に団体がたくさんあることはよくわかっていました。個々で活動する団体同士がつながれば、悩みや課題を共有して乗り越える力が生まれるのではないか。そんな発想から、まず“居場所”に関わる活動をしている地域団体に交流の機会を提供することにしたのです」とフォーラム開催の経緯を話します。

「IBASHOフォーラム」は、5月12日に県南、同15日に県北の2会場で開催。合わせて23団体、組合員や地域住民も来場し、のべ114名の参加がありました。基調講演や全国のコミュニティカフェの事例を紹介、参加団体から活動紹介のあとは、メインの交流会の時間です。各団体が親交をふかめるようすに、つながる機会を求めていたことがうかがえました。

※2:「くらし活動助成基金」は、パルシステム茨城 栃木が取り組む、よりよいくらしをめざす団体に活動資金を助成する制度。これまで15年間で、のべ195グループの活動を助成してきました。

「ベースカフェ」居場所づくりをする人の居場所に

大盛況で幕を閉じたこのフォーラムには、じつはもうひとつ目的がありました。「居場所プロジェクト」の始動です。「自分の近所に居場所がある」ことを目標に、県内全エリアにコミュニティカフェの設置をめざすものです。フォーラムの最後に関心のある人を募ったところ、予想以上の反響があり、7月には初めての「ベースカフェ」も開きました。

7月に開催された「ベースカフェ」。“居場所づくり”に関わりたい人は想像していた以上に多く、参加を断らざるを得ないほどだったそう。

「ベースカフェは“居場所をつくる人たちの居場所”です。人手不足や資金不足で行き詰まらないよう、手伝い合う関係をつくったり、解決方法をみんなで考えたり。ひとりじゃないと思える場所になれば」と細谷さん。後々は、運営も参加者に主体的に担ってもらい、同生協は助成金やステーションパル(※3)などで関わる姿を想像しているそうです。これからどんどん輪が広がっていく、パルシステム茨城 栃木の「居場所プロジェクト」に注目です。

※3:一部の会員生協で展開。通常の配達以外に、決まった場所(ステーション)で注文した商品を受け取ることができるサービス。配送センターなどのパルシステムの拠点や、地域のコミュニティスペースなどを活用しています。

 

活動をサポートする担当より
当初は、みなさんフォーラムへの思いがいろいろありすぎて、本当に開催できるのか?と不安も(笑)。さまざまな居場所づくりを手がけてきたNPO法人セカンドリーグ茨城からの意見なども参考にしながら、ひとつにまとまり、開催できて安堵しています。開催後も居場所プロジェクトの問い合わせが多く、大成功といえるのではないかと思います。間違いなく地域貢献できる活動なので大変さはありますが、私自身も楽しみながら取り組んでいます。
パルシステム茨城 栃木 地域活動推進部 小笠原 政浩さん

*ページの内容は2023年9月時点の情報です。