コロンビア産地と海を越えて交流 “産地とつながろう 有機バナナ”を開催
2021年10月12日
パルシステム連合会は9月21日(火)、東京・東新宿本部で、有機バナナの国際産直産地コロンビアや日本の追熟加工会社とオンラインで交流会を開催。通訳を介しながらも内容の濃い交流となりました。
パルシステムは産直産地の生産者との交流を通し「つくる人」と「食べる人」とのつながりを大切にしています。今回オンラインで行われた海外産地交流会は、2009年から供給しているコロンビアの有機バナナ産地をつなぎ開催し、組合員や役職員など約180名が参加しました。
徹底した管理と配慮で生産
パルシステムの国際産直の始まりは約40年前、フィリピンネグロス島の大規模な飢饉を機に「エコ・バナナ(バランゴン)」の供給開始から(1990年)。パルシステムの産直4原則を満たし、海外であっても国内と同様、同じ生活者としての立場で課題も共有しWin-Winの関係を大事にしています。
コロンビアから中継でサマリア社の全農場責任者グスタボさん、日本向け農場品質責任者ロレナさん、そして国内ではサマリア社が所属するダーボングループ日本法人担当者、追熟加工会社・タナカバナナの担当者が参加し、有機バナナについて紹介。「コロンビアはいま夜8時なので、農園が見せられず残念ですが、お会いできるのが楽しみでした」とグスタボさん。ロレナさんも「質問もたくさん答えたいと思います」とあいさつしました。
サマリア社は日本専用の農園を持ち、農園から日本まで自社グループで一貫管理。有機JASやレインフォレストアライアンス等の認証取得や、生物多様性や持続可能性を重んじ、地域貢献にも積極的に取り組んでいます。バナナ栽培は除草剤や化学肥料不使用、有機JAS認証農薬使用。肥料も認証団体で承認されている有機ミネラルと、自社農園の植物をまぜたコンポスト主体でつくるなどこだわっています。
収穫したバナナは機械でなく人が運びCO2を削減、騒音で共生する動物にストレスをかけないなど、細かなところまで配慮しています。バナナの洗浄作業では、自社製の100%オーガニックの石けんを使いていねいに虫や汚れを落とし、最後は拡大鏡(ルーペ)で入念にチェック。日々ミーティングや収穫されたバナナの品質状況を記録するなど品質改善にも努めているそうです。生産のこだわりの他、先住民ワユ族や女性の雇用学校の改築、大学への寄付、浄水場の建設により生活インフラを改善するなど、地域や住民のくらしも支えています。
たくさんの質問で交流深まる
参加者からの「有機と一般栽培で収穫量に違いはあるか」には、「一般のものは1ヘクタールあたり約2800ケースのところ、当社では約1800~2300ケース。収量は少ないが、それだけ手間をかけて栽培しています」とグスタボさん。肥料についての質問で、急遽参加された肥料担当者のリンダさんが肥料の詳細について熱心に説明するのを見て、参加した組合員から「プライドや誇りを感じます」との感想が伝えられました。「産地でていねいに処理しても、燻蒸処理になることがあるか」という質問にはタナカバナナの登さんが「産地によって違いますが、今年はコロンビアでは5%程度。20回に1回くらいが有機で出荷できなかった」と答えました。
最後にグスタボさんから「自社のバナナがどれだけの過程を踏んで製造されているかを知ってもらうことは非常に大事なこと。有機バナナは一般に比べ農園での仕事も多く苦労もありますが、そういうバナナを日本にお届けできるのはありがたいです」。ロレナさんは「品質を信じ購入くださり心より感謝です。これからも引き続き尽力していきます」とコメント。そして日本語で「ありがとう」とお礼を述べました。