コロナ禍で生まれた“自宅で参加できる”形 オンライン企画を組合員活動の新たな入口に(社会貢献活動レポート|2021年3月)
2021年3月26日
「不安」を抱える組合員の気持ちにどうこたえるか
くらしのなかのさまざまな課題の解決に向け、組合員自らが主体的に取り組む「組合員活動」。コロナ禍で対面での交流や活動に制約がある今、各生協ではオンラインを活用した新たな試みが始まっています。
「昨年3月から組合員活動は会議も企画もほぼ中止。未知のウイルスへの不安や恐怖から『やむを得ない』と受け止める組合員が多かったものの、その気持ちを汲みながら、今私たちにできるサポートは何だろうと考えました」
と振り返るのは、パルシステム埼玉組織運営部の芝田詠美さんです。
少し状況が落ち着いた4月頃からは、活動の再開を待ち望む声も届くように。芝田さんたちは、組合員が自宅にいながら参加できるオンライン企画の開催を検討。
まず実験企画として、7月には一部の活動組合員を対象に、「おうちで手打ちうどんをつくっちゃおう!!」を実施しました。
パルシステム埼玉で実施したオンラインイベントの例
7月 おうちで手打ちうどんをつくっちゃおう!!
10月 オンライン企画
「手打ちパスタを作ろう♪」
「オンライン開催!キッズヘルパー登録説明会」
「ZOOM初心者集まれ!」
12月 産直講座「米沢郷牧場」
「オンラインだから参加できた」という声も
「はじめは何もかも手探りでした。最初の実験企画は、撮影も私のスマートフォンでやったんですよ」と苦笑する芝田さん。「画面が暗い」「音声が途切れた」「もう少しゆっくり進行を」など寄せられた意見から課題を洗い出し、改善を重ねたといいます。
10月からは、一般組合員対象の企画もスタート。初心者向けのZoom学習会や手打ちパスタ教室のほか、「キッズヘルパー」の登録説明会も初めてオンラインで行いました。
「どのアンケートでも共通していたのは、『自宅にいながら参加できるのがありがたい』『子どもがいても気軽に参加できる』という声」
と芝田さん。
「実際、集合企画の会場から遠いエリアの組合員の参加率が増えました。これまで参加したくても、さまざまな理由で会場まで足を運ぶことができなかった方にとってオンラインが新たな参加のきっかけになるというのは、新鮮な気づきでしたね」
「失敗を恐れるな」という上長に背中を押され
わずか1年ほど前までは考えてもみなかったオンラインによる組合員活動。
「私自身、Zoom飲み会をしたことがあるくらいでしたが、何事も慣れですね」
と芝田さん。配信5分前にパソコンがフリーズし冷や汗が出たという経験も、今では笑い話にできるほど。
「一つひとつが勉強です。幸い、上長が『失敗しても次に生かせばいい』というスタンスなので、恐れずにチャレンジできました」
一方で、オンラインでは参加しづらい組合員がいる現実にも直面。今後について芝田さんは、
「オンラインも含め、企画ごとにより多くの参加につながる最適な方法を選んでいきたい」
と抱負を語ります。
「パルシステムには、商品の配達だけでなく組合員活動もある。そのことを地域に広めるためにも、オンラインは有効な手段だと思います」
上長より
パルシステム埼玉の初めてのオンライン企画は芝田職員の「おうちで手打ちうどんをつくっちゃおう!!」でしたが、緊張しながらも楽しんでやっていた姿が印象的でした。常に参加している組合員を第一に考え、オンライン企画を運営するたびに新たな課題と発見を楽しんでいる姿は普段のマイペースな芝田職員からは想像がつきません。今後、集合企画ができるようになったとしても、オンライン企画は継続していければと思っています。
パルシステム埼玉 組織運営部 組合員活動支援課 課長 柴山 直毅さん
*ページの内容は2021年3月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合があります。 あらかじめご了承ください。