“だれひとり取り残さない”社会へ  パルシステムの地域づくり基金(社会貢献活動レポート|2020年11月)

2020年12月16日

社会貢献活動レポート:生協事業では解決できない課題に取り組む団体を応援

組合員がパルシステムの商品やサービスを利用することによって生まれる「剰余金」。一般企業の「利益」にあたるこの剰余金が、地域で草の根活動に取り組む市民団体への支援に充てられていることをご存じですか。

今回紹介するパルシステム連合会の「地域づくり基金」(※)がそのひとつ。

「パルシステムの掲げる『心豊かなくらしと共生の社会を創ります』という理念に沿って、生協の事業のなかでは解決しきれない地域の課題に取り組む団体を応援するものです」と主旨を説明するのは、同基金運営委員長を務めるパルシステム茨城 栃木の理事長・青木恭代さんです。

青木さんによれば、基金による助成制度は2000年に発足。当初は農林水産業の発展、資源循環型社会づくりに取り組む団体への支援を主としてきましたが、東日本大震災が発生した2011年以降、被災した産直産地、メーカーなどの復興支援や放射能対策も対象に。2013年には改めて、「大規模災害の被災地復興支援」も対象に加えるなど、より社会や時代のニーズにかなった制度へと、見直しがなされてきました。

※大規模災害被災地の復興・再生の支援や、日本の持続可能な地域社会づくりと農林水産業の支援のため、資金面で助成する制度。パルシステムとのつながりや連携がより重視されるのが特徴で、申請には原則、産地やメーカーあるいは生消協、協力会、各単協、連合会などからの推薦が必要になります。

選考のポイントは「継続性」と「地域での広がり」

現在、2020年度の申請団体を選定中。

「昨年度はかつてないほど応募が多く、運営委員会での審議を経て20団体に絞りました。どの申請書類からも熱い思いが伝わってくるので、委員一同、ていねいに読み込んで慎重に判断しました」

審査の基準をたずねると、「ポイントは、継続性と地域のなかでの広がり」と青木さん。「この基金の目的は“持続可能な地域づくり”。支援の成果が申請団体のなかに留まらず、どう地域の人たちを広く巻き込んで、どう地域に根付くことをめざしているのか、2回目以降の申請なら、活動がどう発展しているか、などが大事な視点になってきます」と言います。

基金が果たしている役割を、積極的に発信していきたい例

偶然にも、制度の発足と同じ頃パルシステムに加入した青木さん。その後組合員理事になり、東日本大震災の際は、福島や南三陸の支援活動にも携わったそうです。

「豚汁やカレーなどを作っていわきの避難所に届けたり、被災地を視察したり。そのときに出会った支援団体にも地域づくり基金からの助成が行われていて、今でもずっと関係が続いています」

新型コロナウイルスの影響で、助成団体のなかには企画していたイベントを中止せざるを得ず、助成金の返還を余儀なくされたケースもありました。

「毎年のように起こる大規模災害に加えてのコロナ禍。基金にも今後新しい課題や役割が出てくるかもしれません。そうしたことも含めて、組合員の利用が、基金を通して、“だれひとり取り残さない”社会づくりにつながっているということを、これからも積極的に発信していきたいですね」

 

パルシステム連合会「地域づくり基金」運営委員会委員長 青木恭代さん

パルシステム茨城 栃木理事長。組合員歴約20年。「子どもに農業体験をさせたい」と頻繁に産地ツアーに参加しているうちに、組合員活動にも関わるように。理事、常任理事を経て、2019年度~現在まで、理事長を務める。

 

「NPO法人iitoko」は、障がいのないきょうだいもいっしょに家族で夏休みの思い出をつくれる農業・自然体験企画を開催。

「NPO法人茨城NPOセンター・コモンズ」は、地域の拠点「えんがわハウス」を改修。

助成を受けた団体より

私たちが地域の方々とともにすすめてきた「えんがわハウス」プロジェクトでは、空き家だった診療所と古民家を改装し、多世代・多文化交流を行っています。助成金は、床暖房工事とフローリングの新設に充てました。すぐに暖まって快適なのはもちろん、灯油ストーブを使わないので安全です。さらに毎日消毒しながら清掃できるので、新型コロナウイルス感染症対策もできています。今後は読み聞かせや図書館事業などをしていきたいです。

NPO法人茨城NPOセンター・コモンズ 代表理事 横田 能洋(よしひろ)さん

「えんがわハウス」プロジェクト

茨城県を拠点に活動する「NPO法人茨城NPOセンター・コモンズ」が行う事業のひとつ。2015年9月に鬼怒川で発生した洪水で大きな被害を受けた常総市で、空き家だった診療所と古民家を復興拠点として再生。3~5歳の多文化保育を行うほか。地域の高齢者や親子連れが自由に出入りでき、多世代・多文化交流の場となっている。

*ページの内容は2020年11月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合があります。 あらかじめご了承ください。