商品検査センターの実験教室で、子どもがもっと“科学”に親しめる体験を(社会貢献活動レポート|2020年5月)
2020年6月10日
検査室を飛び出し、小学校で「体験型授業」の先生に
パルシステムの商品について、残留農薬や放射能など、科学的視点からの検査を行う「商品検査センター」。商品の安全性や確かな品質を支えている、まさに“縁の下の力持ち”と呼ぶべき存在です。
昨年(2019年)11月、そんな同センターの職員が講師を務めたのが、中央区立日本橋小学校(東京都)の「体験型授業」。1~4年生に向けてのプログラムのうち3年生の「手洗いの実験」と4年生の「ペーパークロマトグラフィー(色を分ける実験)」を6名の職員が担当しました(※)。
「各学年60名ほど。みんな目を輝かせて楽しそうに取り組んでいました」
と話すのは、センターでは主に残留農薬の検査に携わり、今回4年生を受け持った山口菜央美さん。
「クロマトグラフィーは、残留農薬の検査にも使われる分析方法。体験授業では水性ペンを利用しましたが、変化が表れるたびに子どもたちからわっと歓声が上がって、見ている私も楽しかったです」
※1年生には、パルシステム東京食育リーダーが講師となり「エプロンシアター(食べる→排せつの過程・歯みがき)」を、2年生には、パルシステム東京PLAが講師となり「歯みがきの実験」を行いました。
ベースは、夏休みに開催される組合員向けの大人気企画
じつは、今回の日本橋小学校の体験型授業で山口さんたちが実施したプログラムは、同センターが毎年夏休みに開催している組合員向けの「親子科学実験教室」をベースにしたもの。2016年にスタートし、これまでにのべ約1500名が参加している人気のイベントです。
「パルシステムに自前の商品検査センターがあることを知らない組合員が思った以上に多いのが、始めたきっかけです」
と話すのは、品質保証部部長の志賀祐子さん。
「仕事内容について説明すると、『ここまで検査されているなら安心ね』と言っていただけるので、センターの存在を知ってもらうことが、パルシステムや商品への信頼につながると考えました」
幅広い参加につながるように、また親子で楽しんでもらえるようにと、各生協への出張授業の形で、実験教室を導入。
「子どもの体験や学びは未来につながっていくので、パルシステムとしても取り組む意義はとても大きいと思います」
子どもが「自ら考える」よう、プログラムを工夫
今回は、ふだんの実験教室とは違い、小学校の授業の一環。校長先生からは事前に、「自ら考えさせる」ことを意識してほしいとの要望があったそうです。そこで山口さんは、水性ペンで点を描いた紙を水につける前に、「何色に分かれると思う?」と子どもたちに質問。
「みんな、とても真剣に考えていました。『この色かな、あの色かな』とずっと迷っている子もいたくらい。問いにきちんと向き合う姿に、手ごたえを感じました」
体験授業の終了後に行われた、教職員、PTAとの意見交換でも、「学びのモチベーションになった。今後も実施してほしい」と好評の声が寄せられたそうです。
「私も『なぜ?』といつもおとなに質問しているような子どもだったので、“なぜ”にできるだけ答えられればと思って臨みました。いつもの授業と少し違う体験が刺激になって、『理科って楽しいな』と興味をもってもらえたらうれしいですね」
日本橋小学校で体験授業を行った経緯
パルシステム東京の総代を務め、日本橋小学校のPTAでもある組合員から、「学校で行われている体験型授業に、生協として協力できないか」という提案が。その企画の一環として、すでに「親子科学実験教室」の実績がある商品検査センターに声がかかりました。
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