ひとりじゃない――ひきこもり女子会@パルシステム(2019年11月)

2019年11月21日

社会貢献活動レポート:相談ダイヤルから生まれた安心の場づくり

「ひきこもり」と「女子会」。ちょっと結びつきにくいこの2つの言葉を掛け合わせたのが、「ひきこもり女子会」。

「キャッチーで目を引きますよね。ひきこもりの当事者への発信はもちろん、幅広くこの問題に関心をもってもらうのにも効果的だと思います」

笑顔でそう話すのは、「ひきこもり女子会@パルシステム」を主催する「一般社団法人くらしサポート・ウィズ(以下、ウィズ)」事務局長の中根康子さんです。

中根さんが同会を始めようと考えたきっかけは、ウィズの「くらし相談ダイヤル」。近所づきあいや家族間のトラブルなどの電話相談を受けながら、さまざまな生きづらさを抱えた女性たちの存在が気になったのです。何かできることはないかと調べるなかで出会ったのが、「一般社団法人ひきこもりUX会議(以下、UX会議)※」。

「UX会議さんが運営する『ひきこもり女子会』の名前を見て、これだ! ってピンときた。すぐに会いに行き、『私たちもやりたいんです』と言ったら、ぜひと」

2019年6月に開催した「ひきこもり女子会@パルシステム」では、テーマごとに分かれたグループトークなども実施

「パルシステムが関わっているなら安心」の声に身が引き締まる思いも

「参加したら気が楽になるかもと思っていても、知らないところに出かけていく勇気はない。その点、パルシステムで広報されているなら安心という方が多い」と中根さん。「信頼にこたえるものにしていく責任を感じています」と表情を引き締めます。

今年10月からは、UX会議との共催から自主運営に移行する予定。相談員の冨永智恵美さんとともに、試行錯誤しながら、プログラムの構成を考えています。

「まずは欲張らずに、グループトークを中心に。でも、徐々にパルシステムならではの企画も盛り込んでいけたらと思っています。たとえば、メイクアップやヨガの講座を組み合わせてみるとか」

さらに、過去の参加者に運営をサポートしてもらうことも検討中。

「運営側に当事者がいることで、安心感が断然違うと思うんです。『ここなら気持ちをわかってもらえる』という場づくりをしたいという思いで、呼びかけました」

背景には、社会全体の「こうあるべき」圧力が

「参加者は、みなさんすごく真面目でやさしい方ばかりです」と冨永さん。彼女たちに接するうちに、生きづらさの背景に、今の社会全体の空気感があることを感じるようになったと言います。

「いい学校を出ていい会社に就職するのがいちばん、皆と同じにしないといけないという意識が、まだ強い。親も子も『こうあらねば』という価値観にしばられ、自分らしくいられない。そのひずみが出ているのではないでしょうか」(冨永さん)

「ひきこもり女子会は、一歩踏み出すきっかけになりますか?」と中根さんにたずねると、「私たちも正解はわかりませんが、ひとりで辛さを抱え込むのではなく、この場で共感し合える相手と話し、同じ気持ちの人がいるとわかるだけでも違うと思います」とにっこり。「社会問題の側面もある『ひきこもり』という課題を多くの人と共有するためにも、今後は発信にもさらに力を入れたい」と意欲を語りました。

 

「一般社団法人くらしサポート・ウィズ」

格差社会のなか、社会的弱者を支えあい、問題解決に導くことを目的に、パルシステム連合会、生活クラブ生協・東京などを母体に2006年に設立された「生活サポート生活協同組合・東京」が前身。2017年に一般社団法人に組織変更し、生協で培ってきたスキルやネットワークを広く社会に還元することをめざす。各種講座で情報提供するほか、「くらしの相談ダイヤル」「ほっこりカフェ」「ひきこもり女子会@パルシステム」などを企画・運営。

ひきこもり女子会@パルシステム

さまざまな生きづらさを抱えている女性(自認)を対象に、昨年から東京と埼玉で開催。幅広い年代が参加し、「自分ひとりじゃないとわかって力をもらえた」「同じ悩みをもつ方と話せてよかった」といった好評の声が寄せられている。開催は会員生協が発行するチラシや、くらしサポート・ウィズのHPなどでも広報中。

「ひきこもり女子会」参加者の声

●会場にたくさんの人が着席していること自体が「私だけじゃない」を作り出していて居心地がよかった。
●今日は主に50代以上の専業主婦の生きづらさのようなことについて話し合ったのですが、これは特別なことではなく普通にあることなのだと改めて思いました。

※UX会議……不登校、ひきこもり、発達障がい、セクシュアル・マイノリティの当事者・経験者らで立ち上げたクリエイティブチーム。2016年から「ひきこもり女子会」を実施。

ひきこもりUX会議より
ひきこもり女子会は、ひきこもり状態などの生きづらさを抱える女性に「ひとりではない」と伝えるために生まれました。何度でもやり直しできる寛容な社会の実現には、「自分はここにいてもいいんだ」と感じられる安心できる場が、もっと必要です。ひきこもり女子会@パルシステムは、UX会議だけでは訴求できないご家族にもリーチできる存在だと思います。今も孤立のなかにある当事者の方やご家族に、情報が届くことを願っています。

 

*本ページの内容は2019年9月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合があります。 あらかじめご了承ください。