ゲノム編集生物の食品使用をめぐり厚労省と農水省へ意見 安全性や生態系影響を検証し情報公開を

2019年7月29日

パルシステム連合会は7月26日(金)、ゲノム編集された生物の食品利用について厚生労働省と農林水産省へそれぞれ意見(パブリックコメント)を提出しました。

意見は、厚生労働省の「『ゲノム編集技術応用食品等の食品衛生上の取扱要領(案)』及び『届出に係る留意事項(案)』」と農林水産省の「農林水産分野におけるゲノム編集技術の利用により得られた生物の情報提供等に関する具体的な手続について(骨子)(案)」に対してそれぞれ提出しました。ゲノム編集された生物の食品利用について、安全性や生態系への影響を検証し、それにかかる情報の公開などを求めます。

パルシステムグループでは、遺伝子組換え作物による環境への影響の懸念などを踏まえて、遺伝子組換え技術で生産された作物およびそれを主原料として使用された食品は原則として取り扱わない方針で商品を提供しています。現行の表示制度における対象外の商品についても、遺伝子組換え作物の使用状況を副原料まで確認し、組合員へ情報開示しています。

パブリックコメント要旨はそれぞれ次の通りです。

「ゲノム編集技術応用食品等の食品衛生上の取扱要領(案)」及び「届出に係る留意事項(案)」に係る意見
1.すべてのゲノム編集技術応用食品について安全性審査を行い、その結果を情報公開してください。また、そのためにもゲノム編集技術応用食品等は例外なく全てに上市前の届出を義務付けてください
2.外来遺伝子及びその一部の残存がないことの確認についても、確認の方法と結果を公開してください
3.ゲノム編集により増加・低減する主要成分は、最終的なゲノム編集技術応用食品等に残存する栄養成分以外の成分も届出と公表の対象としてください

「農林水産分野におけるゲノム編集技術の利用により得られた生物の情報提供等に関する具体的な手続きについて(骨子)(案)」についての意見
1.事前相談の過程に関する十分な検証・確認とその十分な情報公開を要望します
2.標的とした塩基配列以外にも変異が生じる蓋然性が高い塩基配列についても、配列の変化とそれに伴う生物多様性への影響が生じる可能性に関する考察を義務付けてください
3.使用後の生物多様性影響に関する定期的なモニタリングを義務付けてください

パルシステム連合会が提出した意見全文は、別紙の通りです。

「ゲノム編集技術応用食品等の食品衛生上の取扱要領(案)」及び「届出に係る留意事項(案)」に係る意見全文

「農林水産分野におけるゲノム編集技術の利用により得られた生物の情報提供等に関する具体的な手続きについて(骨子)(案)」についての意見全文