NPO発アートで地域交流 群馬「板倉食品加工センター」に絵画を展示
2019年3月6日
パルシステムのお料理セット(ミールキット)を製造する板倉食品加工センターに絵画が展示され、3月1日(金)に除幕式を開催しました。作品は、障がいを持つ人たちの芸術活動を支援するNPO法人工房あかね「アトリエART・ON」で活躍する神宮和也さんが制作したもので、同工場が購入しました。
心を温めてくれるオリジナル作品
開催にあたり、パルシステム連合会常務執行役員・太田賜嗣夫は「お料理セットは今や主力商品として成長していますが、これも板倉食品加工センターの稼働を支えてくださる地域のみなさんのおかげです。工房あかねは、群馬県において地域の隠れた才能を発掘・輩出してきました。今回、そのひとりである神宮さんの作品を工場内に飾れることを誇りに思います。お料理セットで作った食事は食べる人を温かくしますが、製造工場で見る神宮さんの作品は、従業員をはじめ、ここを訪れる人の心を温めてくれると思います。工場にはまだまだ伸びしろがあり、今後もさらに実績を上げ、作品を購入し、工場内に絵が溢れるよう取り組んでいければ」とあいさつしました。
作品は20号の油絵で、題名は「キリンの親子」。神宮さんは、高校1年生の時に「油絵を描きたい」と就労継続支援B型の通所施設「アトリエART・ON」を運営する工房あかねを訪れ、32歳となる現在までに300点以上の油絵を制作してきました。動物を描くことが多く、デッサンを描いたキャンパスを一度絵の具で塗りつぶしてしまう独特の工程が特徴です。
親も子も、多様な交流が生まれる場所
工房あかねとパルシステム群馬との交流は長く、2011年に「夏だ!はじけろ!アートしよう!」と題した夏休み子ども向け企画を開始し、障がいの有無にかかわらず作品を制作するイベントを毎年継続してきました。神宮さんのアートティーチャーである前島芳隆さんは「当時は、障がいで子ども達を分け隔てない“インクルージョン”という考え方もあまり普及していませんでした。自然と先進的な取り組みを始めていたのだと感じます。いまでは親も子も、多様な参加者と交流を持てる場となっています」と話しました。
パルシステム群馬の柳井由香里理事は、企画当初から組合員として参加し続けてきたひとりです。パルシステム群馬では、理事や組合員のみなさんで工房あかねの展覧会の手伝いをしており、作品に愛着を持っている方も多くいるそうです。「工場に工房あかねの絵が飾られると聞き、理事全員で喜びの声をあげました。手探りの企画・活動が継続し、一つのかたちになったとうれしく思います」(柳井理事)。「アトリエART・ON」で制作された作品は数多くの場所で展示されていますが、今回のように除幕式というかたちで、作者本人も招待されたのは初めてのことだそうです。
「地域づくり基金」で市民活動を応援
パルシステム連合会では、事業の剰余金で地域の市民活動等を支援する助成金制度「地域づくり基金」を設けています。工房あかねにも2016年度の助成として、創作活動に使うフラミンゴ織機の購入を支援しています。今回の作品の購入は、昨年度にパルシステム連合会が開催した助成金報告会での交流がきっかけとなりました。
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パルシステムグループでは、グループ理念である「心豊かな暮らしと共生の社会」の実現に向け、地域で活動する多様な団体と連携した活動を、これからも進めていきます。