「原発事故被害者の救済を求める全国運動」が学習会を開催 終わらない事故被害の現状を知る
2018年11月16日
11月13日(火)、東京・千代田区の参議院議員会館で「原発事故被害者の救済を求める全国運動」による学習会が行われました。複雑で多岐にわたる原発事故被害者の実状と課題を共有しました。
パルシステム連合会では原発に頼らない社会の実現のために、エネルギー政策を策定し、協同の力で生活者がエネルギーを選択できる社会をめざしています。
実態を把握し、当たり前のくらし保障を
学習会は「原発事故被害者の救済を求める全国運動」実行委員会の主催により「原発事故被害者の可視化に取り組もう!」と題し、呼びかけられました。
避難の協同センターの瀬戸大作事務局長(パルシステム職員)より、次々と打ち切られる避難者への住宅無償提供の実態について報告がありました。
国と福島県は2017年3月末で3万人を超す区域外避難者の住宅支援を打ち切りました。その後も福島県が「激変対策」として支援してきた「区域外避難者への公務員住宅の提供(130世帯)」「収入・世帯要件に該当する民間住宅避難者(2000世帯)」についても2019年3月末終了の方針が発表されています。避難者には単身世帯と母子世帯が多く、生活困窮に陥っているケースは少なくありません。こうした実態を把握するよう「政府や福島県に求めてきましたが、明確にしないまま支援の打ち切りが進んでいます。避難者の8割は2019年4月以降の居住先が決まっていません。被ばくを避けるために避難した人がほとんどのなか、当たり前の権利として住まいが保障されてほしいのです」と力強く述べました。
各地で自主的に行われている「甲状腺検診」の現状についても報告があり、関東子ども健康調査支援基金、生活クラブ栃木、避難者の代表に加え、パルシステム神奈川ゆめコープの事例について古賀匡職員が登壇し「県内の他団体と協力体制を築き、将来のデータ統合の可能性を残しています。検診を機会に、再生可能エネルギーを推進する『パルシステムでんき』を知ったという声も届きます」と話しました。
ほかにもモニタリングポストの継続設置を求める市民の会が、原子力規制委員会の主導により福島県に設置されているリアルタイム線量計の撤去が進められている動きについて、FoE Japanの満田夏花さんが、経済産業省や環境省が進めている汚染水の放出と除染土の拡散事例について説明し、課題を指摘しました。
最後に避難者を代表して長谷川克己さんが登壇し「原発事故被害者に安心して生きる権利と知る権利の保障」を求めました。「原発事故被害者の救済を求める全国運動」実行委員会は、2019年度通常国会への提出をめざし、第4期請願署名の働きかけを行います。