ほんもの実感!連続講座を開催 食卓が未来を変える 「食べる」を真ん中につながろう

2018年6月7日

パルシステム連合会は6月2日(土)、東京・新宿区のKDX東新宿ビルで、作家の島村奈津さんをお招きし、第1回「ほんもの実感!」くらしづくりアクション連続講座を開催しました。

パルシステムでは、1人ひとりの選択でよりよい社会や自然環境を次世代へ引き継ごうと、「ほんもの実感!」くらしづくりアクション運動を進めています。その一環として連続講座「できることから始めませんか?『選ぶ』で変わる地球の未来~食の世界からみるエシカル・SDGs~」を開催し、パルシステムグループの組合員や役・職員など、80名が参加しました。

講師の島村奈津さんは、数十年にわたってイタリアほか世界各国の食文化を取材し「日々の食卓を変えていくことで、社会を変えることができるとしたら」という投げかけを続けるノンフィクション作家です。『スローフードな人生!』(新潮社文庫)、『スローシティ』(光文社新書)など「スローフード」を題材とした数多くの著作があります。スローフードとは、味や食文化の多様性、環境を大事に考える流れで、90年代にイタリア・ローマで起こったファストフードチェーン進出に対する、味や文化の均質化に対する抵抗運動から始まりました。

食卓から世界は変えられます

まず主催した商品委員会の反町幸代委員長(パルシステム群馬理事長)が、「スローフードの考え方はパルシステムが長年取り組んできたことに通じるもの」と前置きし、「産地交流や組合員による商品開発など、より活性化させていきたい」とあいさつしました。

次にパルシステム連合会の髙橋宏通常務執行役員は、昨年「ほんもの実感!」くらしづくりアクションの取り組みが第1回ジャパンSDGsアワードを受賞したことに触れ「“食べる”とはどういうことか、何を食べるか、どう工夫して食べるかなど、組合員のみなさんとひたむきに考え、力をあわせて活動してきた結果=社会的評価だったと思っています。買い物は一票です。小さくても社会を変える力になることを広げていきましょう」と強調しました。

世界中を訪問し、豊富な食事情を話す島村さん

島村さんはスローフード運動について「質のよいものを作ってくれる生産者を守る」「子どもたちを含めた消費者の味の教育」「在来種や伝統両方など希少な農水産物や伝統の味を守る」を「3つの柱」として紹介しました。「ものづくりをしている人の現状を知ることが大事だと思っています。食卓から世界は変えられます。それを実践するのは食の専門家だけではなく、毎日、食と向き合うみなさんです。食べ物を真ん中にすることで、人や自然はいとも簡単につながることができますから」(島村さん)。

楽しく食べながら、食の課題を修復したい

島村さんは「悲鳴を上げている地球環境の真ん中に食べ物がある」と続けます。「それを抜きにして、おいしいもの、健康なものを語ってはかっこわるい。本当のことが伝わるのは驚くほど“スロー”です。でも、それにめげないで、ゆがんだ食をつなぐ関係をゆっくり、楽しく食べながら修復していきたいと考えています」。

パルシステム連合会の渋澤温之常務執行役員はまとめとして、「パルシステムでは、生産・加工・流通、そして消費までが『商品づくり』の基本として、これまで一貫して進めてきました。スローフードの哲学と相通じるものがあります。人と人とのつながりを大事に、次につなげていきたい」と結びました。

この日は6月よりスタートした環境キャンペーンの概要を共有し、環境委員会の高野祐子委員長(パルシステム福島理事長)より「自分と未来の環境のためにご協力を」と呼びかけがありました。

環境への取り組みを総合的に共有

パルシステムのエシカル消費

パルシステムの商品は、単なる「モノ」ではありません。「食」と「農」をつなぎ、いのちの力があふれる社会を、次の世代にきちんと手渡したい。その思いを込めてパルシステムは、「7つの約束」をもとに商品づくりを進めています。

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