年頭のごあいさつ
2024年12月27日
国際協同組合年の期待にこたえます
あけましておめでとうございます。
みなさまにとって2025年が実り多き年となりますよう、心より祈念申し上げます。
国連が2度目の「国際協同組合年」と定めた2025年が到来しました。同一名称の国際年が2回設定されるのは異例であり、国際社会からの協同組合に対する期待が表れています。さまざまな分野で頻発する諸課題を解決するための機能として、あらためて私たち協同組合の役割が問われています。
2025年は、先の大戦の終結から80年の節目でもあります。2024年のノーベル平和賞には、日本原水爆被害者団体協議会が選ばれました。近年、世界ではロシアによるウクライナへの侵攻やパレスチナ問題をめぐる戦闘など、平和を脅かす行為が相次ぎ、核兵器が再び使用される懸念も高まっています。
深刻な自然災害も相次いで発生しています。昨年発生した能登半島地震では、パルシステムグループの組合員17万人から2億6千万円もの募金が寄せられました。募金は、現地支援団体の活動費や、取引先への見舞金、被災者への義援金として活用されています。人的支援も延べ137人の職員を派遣し、被災した家屋の整理や高齢避難者への介護など、さまざまな活動を展開しました。
近年は、為替の乱高下や異常気象による農畜水産物の不作、不漁などによる物価高騰も、私たちの生活に大きな影響を与えています。ほかにも気候変動対策やプラスチック削減といった環境問題、貧困やジェンダーをはじめとする人権問題など、次世代へ先送りしてはならない懸案が山積しています。
これら諸課題は、政府の介入や利益追求の市場原理だけでは解決しません。人と人がつながり、困難に直面する1人ひとりに向き合う協同組合だからこそ、それぞれの立場を尊重した対処が図られます。穏やかで平和な生活を次世代へ引き継ぐため、助け合いの力による持続可能な社会を実現しなければなりません。
パルシステムグループは、理念「心豊かなくらしと共生の社会を創ります」実現に向け、事業と運動の両輪の下、みなさまとの強固な信頼関係により持続可能な資源循環型の社会づくりをさらに力強く進めていく所存です。そのためには、みなさまとの連携をさらに深め、より強固な信頼関係を構築することが不可欠です。
誰もが安心して暮らせる社会を目指してともに進んでまいりましょう。そのためにも、本年もどうぞさらなるご指導ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。
パルシステム生活協同組合連合会 代表理事 理事長 大信 政一