「知りたい」けど「知らない」浮き彫り エネルギー基本計画4千人調査
2024年12月11日
意識する省エネは「交通」「衣服」「家電」
パルシステム連合会(本部:新宿区大久保、理事長:大信政一)はこのたび、オンラインアンケート調査「あなたはどこまで関心がありますか?未来のエネルギー」の結果をまとめました。政府が策定を進めている「第7次エネルギー基本計画」について「知っている」が7%にとどまったのに対し、過半数が「内容を知りたい」と回答しました。エネルギー政策に関して多くの消費者が関心を持ちながら、その内容が国民へ伝わっていない実態が分かりました。
半数が「内容知りたい」「意見したい」
アンケートは2024年11月11日(月)から24日(日)にかけてパルシステムの組合員を対象にオンラインで募集し、重複を除く4,099人から回答を得ました。
エネルギー基本計画に関する設問では、名称を「聞いたことがある」人は48%と半数近くいたものの、見直し内容を「知っている」人は7%にとどまりました。「エネルギーについて知りたい内容やテーマ」(複数回答)で「具体的なエネルギー基本計画の内容」と回答した人は、過半数の53%におよび「知りたいけど知らない」現状が浮き彫りとなりました。
エネルギー政策のあり方について幅広い国民からの意見を募集するために政府が設置している「意見箱」についても「知っている」は6%でした。「知らない」と回答した人で意見箱へ「投稿したい(すでに投稿した)」人は半数近い48%に上りました。エネルギー政策をめぐって多くの消費者が、政府へ意見したい意欲を持ちながら、基本計画の内容や意見箱の存在がほとんど知られていない現状が明らかになりました。
日常生活で97%が省エネ意識
普段の生活については、省エネの取り組みやエネルギーに関する情報取得手段などについても質問を設けました。「あなたが普段行っている省エネ」(複数回答)では、「取り組んでいない」がわずか3%にとどまり、日頃から工夫していることが分かりました。
具体的には「公共交通機関や自転車を利用している」(58%)が最も多く、全年代で1位となりました。2位の「クールビズやウォームビズの実施」(52%)までが半数を超えました。続いて「省エネ家電を購入し使用している」(45%)、「エコドライブを行っている」(27%)となり、多くの人がエネルギーの無駄遣いを避ける傾向がみえました。
調査概要
調査名称:「あなたはどこまで関心がありますか?未来のエネルギー」
調査期間:2024年11月11日~24日
対象:パルシステムグループ組合員(13都県在住の利用者)
有効回答数:4,099人(20歳代以上)
調査方法:ホームページ等の募集によるオンライン調査
エネルギー政策と意見箱
政府のエネルギー基本計画は「エネルギー政策基本法」に基づき、概ね3年ごとに見直されます。エネルギー需要の見通しに応じ、化石燃料や原子力、再生可能エネルギーの電源比率などが定められます。
今年度の策定では、2050年の温室効果ガス排出実質ゼロに向けた2040年度までの削減目標などが議論されます。長期的な電力需要増が見込まれるなか、温室効果ガス削減目標と安定的な電力供給の両立が大きな課題です。
政府はこの論議に当たり、できる限り幅広い国民からの意見を募集するとして、12月下旬ころを目途に意見箱を設置しています。意見は誰でも送信フォームから提出でき、基本政策分科会の委員に参考資料として配付されます。
▼エネルギー政策に関する意見箱
https://www.enecho.meti.go.jp/category/others/basic_plan/opinion/2024.html
パルシステムが参加する市民運動「ワタシのミライ」の分析によると、気候変動対策の強化や論議への市民参加を求める声などが届けられています。パルシステムも8月、意見を提出しました。
▼「ワタシのミライ」サイトで紹介する意見の分析
https://watashinomirai.org/eneki7_ikenbako/
▼次期「エネルギー基本計画」で政府へ意見 決定プロセスに多様な立場の参加を
https://information.pal-system.co.jp/press/240821-basicenergyplan/
パルシステムはこれからも、組合員とともに暮らしを支えるエネルギーの在り方を考え、持続可能な社会づくりを目指します。