「ささえあい基金」「地域づくり基金」初の合同報告会 4団体が活用事例を発表

2024年3月19日

生活支援や防災、循環型農業などに貢献

パルシステム共済連とパルシステム連合会は3月15日(金)、それぞれが運営する「ささえあい基金」「地域づくり基金」の助成団体による合同報告会を開催しました。子育て世帯や障がい者支援など4団体が基金活用の事例を発表しました。両基金の合同開催は初めてです。

団体の活動内容や今後の展望を発表

報告会では、ささえあい基金助成団体から「アトリエグレープフルーツ」と「NPO法人湘南まぜこぜ計画」、地域づくり基金の助成団体から「夏井川流域ネットワーク」と「株式会社 アグリイノベーションズカンパニー」が発表しました。発表後、参加者や報告者から質問が出されるなど、交流を深めました。

「ささえあい基金」助成団体からの報告要旨は次の通りです。

アトリエグレープフルーツ(東京都練馬区)


<助成事業>障がいのある方たちの美術表現活動をサポート

2008年に地域の文化拠点をつくることを目的として立ち上げた団体です。障害のある方たちの美術制作活動や作品発表のサポートを行っています。助成金は、創作環境の充実のため、陶芸電気窯の購入やスタッフの研修費用に活用されました。今後は作品を地域のカフェや病院に向けて貸し出す“レンタル事業”への取り組みを計画しており、周知のためのパンフレット制作に充てたいと語りました。地域とのかかわりを今後の課題として、お祭りに参加するなど活動を広めていく考えです。

▲代表・土生さん

▲展覧会のようす

NPO法人湘南まぜこぜ計画(神奈川県藤沢市)


<助成事業>子育て家庭を飲食店等と提携して支援する事業

2016年に開設した「寺子屋ハウス」をはじめ、子どもの居場所づくりを中心に取り組んでいる団体です。飲食店や障がい者支援事業者と提携し、子どもたちへお弁当を提供する「未来食堂」の運営が現在の中心的な活動となっています。助成金は、「未来食堂」の食材運搬に使用するバイクの購入に活用されました。今後は食材を提供いただく農家の皆さんにもメリットのある、持続可能な事業を目指して取り組んでいきたいと語りました。

▲共同代表・原田さん

▲寺子屋ハウス

 

「地域づくり基金」助成団体からの報告要旨は次の通りです。

夏井川流域ネットワーク(福島県いわき市)


<助成事業>夏井川河川防災ステーションにおける河川環境活動拠点整備

福島県を流れる夏井川流域の治水、利水、河川環境等の諸問題に取り組むため、2007年に設立された団体です。環境学習や生き物学習、水質調査など幅広く活動しています。助成金は、資材の保管や水辺教室、防災教室の活動拠点として、夏井川河川防災ステーション敷地内への防災倉庫設置に活用されました。今後はゴムボートやライフジャケット、さらに周辺環境の整備に使用する草刈り機等の備品を新調するために活用していきたいと語りました。

▲代表・橋本さん(左)・事務局・田中さん(右)

▲小学校での学習支援

株式会社 アグリイノベーションズカンパニー(千葉県県旭市)


<助成事業>「国産飼料で未来へつなぐ平飼いたまご」の取り組み

パルシステムで取り扱っている平飼いたまごの生産地です。鶏は自然に近い環境の中で、飼料や環境づくりを工夫することで、余計なストレスを感じることなく育てています。助成金は、飼料用米破砕機の購入等に活用されました。生産にかかる費用が高騰している厳しい現状を語りつつも、今後はさらに出荷量を増やしていきたいと前向きに語りました。

▲香取加藤農場・加藤さん

▲飼料用米破砕機

生活困窮者や障がい者などを応援する「ささえあい基金」

「ささえあい基金」は、生活困窮者や障がい者、社会的孤立の防止などへの支援活動に取り組む市民団体やNPO団体への助成金制度です。「互いに支え合える地域社会づくりに寄与すること」を目指し2021年度に創設しました。助成金はCO·OP共済《たすけあい》の剰余金の一部が活用されます。2023年度は、20団体へ1,000万円を助成しました。

 

持続可能な地域づくりと農林水産業の発展に貢献する「地域づくり基金」

「地域づくり基金」は、2000年度に「レインボー・パル基金」として創設しました。大規模災害被災地域の復興支援や食と農をつなぐ活動、地域の環境保全などを目的とした事業へ助成しています。2023年度は、14団体へ1,000万円を助成しました。

パルシステムグループはこれからも、全国の多様な組織や人たちと手を取り合い、地域に根ざした団体の取り組みを応援していきます。