年頭のごあいさつ
2024年1月4日
能登半島地震をはじめ年始に相次いだ災害の被害にあわれたみなさまへ、心からお見舞い申し上げます。
またパルシステムを利用されるみなさまにおかれましては昨年末、物流トラブルの影響から一部商品を配達できない状況となりました。ご迷惑をおかけし心からおわび申し上げます。
昨年は、軍事衝突、異常気象などさまざまな事象が相次ぎました。ロシアによるウクライナ侵攻は2年が経過しようとしています。パレスチナ・ガザ地区では大規模な戦闘行動が始まりました。スーダンやニジェールも人道危機が懸念される状況に陥っています。トルコやシリア、リビアでは大規模な地震や水害が発生しながら、不安定な政治情勢によって十分な支援が届いていません。地球上で多くの生活者がなすすべなく命の危険にさらされています。
これらを背景に為替の乱高下や物流停滞、資材不足などが慢性化し、国内は物価高が続いています。特に「食料」「家事用品」といった生活必需品の価格上昇率が高く、人々の暮らしはいっそう厳しくなっています。少子高齢化により労働力不足が顕在化しながら、賃金上昇が追い付かないことで実質賃金が低下し、生活困窮世帯が増加するという悪循環が続いています。
穏やかで平和な生活を次世代へ手渡そうと、持続可能性を追求する動きは広がりを加速させています。プラスチック削減では、各国政府にとどまらず企業、NGOなども巻き込んで、条約制定への議論が進んでいます。気候変動や平和など諸問題においても、政府間交渉への関与やクラウドファンディングによる解決など、さまざまな場面で市民レベルの行動が世界を動かすほどの影響力を示しつつあります。
持続可能性を追求する姿勢は、各方面からますます求められていくことでしょう。パルシステムは昨年、進学が困難な若者を包括的に支援する「一般財団法人パルシステム若者応援基金」を設立しました。組合員からの募金を活用し、生活相談など精神的なサポートをともなう伴走型で奨学金を給付します。子どもたちが平等に教育を享受できる権利を保全し、次世代を担ってほしいという願いを具現化しました。
パルシステムグループの理念「心豊かなくらしと共生の社会を創ります」実現に向け、事業と運動の両輪の下、みなさまとの強固な信頼関係により持続可能な資源循環型の社会づくりをさらに力強く進めていく所存です。
ひとつひとつの課題と真摯に向き合い、社会的役割を果たすため、本年もどうぞさらなるご指導ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。
パルシステム生活協同組合連合会
代表理事 理事長 大信 政一