「再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会報告書(案)」へ意見 再生エネ普及促進に適した制度設計を

2016年1月19日

パルシステム連合会はこのたび、政府が募集している「再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会報告書(案)」へのパブリックコメントに対し、意見を提出しました。再生エネルギーを利用しやすい適切な制度設計などを求めています。

電力小売全面自由化が2016年4月からスタートすることにともない、経済産業省の「再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会」は2015年12月、報告書案をまとめ、パブリックコメントを募集しました。

これを受けてパルシステム連合会はこのたび、賦課金減免制度の見直しや発電所・電源を特定できる制度設計など、再生可能エネルギーの普及促進に適した制度を求める意見を提出しました。

要求した項目は、以下の通りです。

  1. 賦課金減免制度に必要な原資は、従来通り国費によって負担すべきです。また、現制度を見直すことで国民負担の軽減を図るべきです。
  2. 双方の合意により、発電所・電源を特定・表示できる形で送配電事業者を経由して小売電気事業者に引き渡されるしくみの具体的な制度設計を求めます。また、送配電部門の中立性の担保を求めます。

パルシステムは、「協同の力」で生活者がエネルギーを選択できる社会を実現するため「エネルギー政策」を制定し、エネルギーの使用を「減らす」、原発を「止める」、自然エネルギーへ「切り替える」活動を進めています。

【関連リンク】
パルシステムのエネルギー政策
「電力小売営業に関する指針(案)」に対し政府へ意見 正しい情報提供で「選べるエネルギー」の実現を(2016年1月12日)

パブリックコメント全文(該当箇所などを一部補足しています)

1. 賦課金減免制度に必要な原資は、従来通り国費によって負担すべきです。また、現制度を見直すことで国民負担の軽減を図るべきです。

■該当箇所

3.コスト効率的な導入

③FIT制度に係る費用負担のあり方 「賦課金減免制度の必要額の増加が見込まれる中で、この制度を持続的に運用するため、賦課金の活用などにより減免の原資を確保するとともに、減免対象とならない家庭や事業者から減免制度の維持に理解が得られるよう、制度について所要の見直しを行う必要がある」

(意見)

賦課金減免制度に必要な原資は、再エネ賦課金に求めるべきではなく、従来通り国費によって負担するものとし、むしろ現在の減免措置の対象や減免率が妥当なものであるかどうかを厳密に見直すことによって、国民負担の軽減をはかるべきです。また、減免制度に関する情報を広く公開し、国民が制度を点検できる環境づくりを行うべきです。

2. 双方の合意により、発電所・電源を特定・表示できる形で送配電事業者を経由して小売電気事業者に引き渡されるしくみの具体的な制度設計を求めます。また、送配電部門の中立性の担保を求めます。

■該当箇所

5.電力システム改革を活かした導入拡大

③送配電事業者による買取義務者を通じた広域融通等 「発電事業者と小売事業者との間で合意が成立している場合には当該事業者に引渡すこと」

(意見)

固定価格買取制度を活用した再生可能エネルギーの買取義務者を送配電事業者とする場合は、小売電気事業者もしくは発電事業者の意思が尊重され、発電所・電源を特定・表示できる形で送配電事業者を経由して小売電気事業者に引き渡されるしくみにするべきです。報告書案の方向で、具体的な制度設計をすすめていただくよう望みます。
ただし、買取義務者を送配電事業者に一本化するという論議は、本来、発送電分離が前提となるものであり、それがなされていない段階で変更する場合は、現一般電気事業者の送配電部門の中立性を担保するよう求めます。

以上