「もったいない」から考える、パルシステムのお買い物術(全2回) 増税前のこの機会に――スケジュール消費(計画購買)のススメ
2014年3月5日
今年4月、消費税が現行の5%から8%に増税されます。増税前に、あれこれ買いだめしておこうと考えたり、家計簿とにらめっこしている人も少なくないかもしれません。そこでこの機会に『「もったいない」から考える、パルシステムのお買い物術』として、食品ロスやさまざまな“ムダ”を減らすスケジュール消費(計画購買)について改めてご紹介します。
もったいない! 食料廃棄の現状
世界有数の食料輸入国である日本は、世界有数の「食料廃棄国」でもあります。日本では、年間約1,700万トンの食品廃棄物が排出され、このうち、本来食べられるのに廃棄されているもの、すなわち「食品ロス」は、年間500~800万トン含まれると推計されています(平成22年度/農林水産省)。これは日本の米生産量(2012年/約850万トン)に匹敵します。
政府も2014年度から、食品ロス削減国民運動(NO-FOODLOSS PROJECT)を展開します。生活者1人ひとりが自ら意識し行動を変革する食品ロス削減に向けた国民運動で、日本発「もったいない」を発信します。
先進国ではかなりの割合が「消費段階で無駄にされている」というのが現状です。「捨てる」という行為は、食料自給率低下に拍車をかけることにもつながります。この“ムダ”をなくしていくことは、国全体だけでなく、各家庭での節約にもつながるとパルシステムは考えています。
パルシステム的「脱ロス・脱ムダ」の取り組み
食品産業における食品ロスの発生要因と考えられるものには大きく3つ挙げられます。
パルシステムの宅配は、こうした食品ロスの発生を、できるだけ抑制する仕組みになっているのです。
前もって注文を取るからロスが少ない
パルシステムでは、毎週同じ曜日、同じ時間帯に定期的に訪問し、あらかじめ注文したものを、一定期間を置いて商品を届けています。事前に注文した商品を受け取るというシステムによって、売れ残りや余剰を減らし、製造・流通段階でのロスを抑制します。
産直だからできる「もったいないプロジェクト」
パルシステムでは「もったいないプロジェクト」として、産直産地と協力し青果をメインとした規格外品の発生に対する商品開発を積極的に行っています。たとえば、サイズや形状が規格外のさつまいもを産直産地の直営工場で加工している「冷凍さつまいもスティック」は、冷凍食品とは思えないねっとり・ほくほくの食感と温めるだけで食べられる手軽さが人気の商品です。油を使わず、スティック状に仕上げており、乳幼児のおやつとしての支持も高いヒット商品となっています。
【関連サイト】
もったいないプロジェクト
冷凍さつまいもスティック
ほかにも、パルシステム神奈川ゆめコープでは、東京都八王子市にあるパルシステムのパン製造子会社・パルブレッドでの余剰パンを製粉加工・飼料化し、県内の農家養豚・平川牧場で利用する資源循環の取り組みを進めています。このおいしいパンで育った豚は「藤沢のすくすくパン豚」として神奈川の組合員限定で出荷され、好評を博しており、組合員参加・交流による地産地消プロジェクトとして多方面から注目されています。
【関連サイト】
「藤沢のすくすくパン豚」について(PDF)
社会貢献活動レポート「地域資源を有効活用したパルシステムの『日本型畜産』」
ひいては自給率の向上にもつながる
増税前のこの機会に、「もったいない」から考える計画購買のススメ――次回は、食品ロスの約半分とされる「一般家庭からの排出」を抑制する視点から、パルシステムの取り組みをご紹介します。