組合員が生産者に購入を約束する「予約登録米」 山手線内側の半分の面積が生命を育む田んぼに

2011年8月2日

パルシステム連合会では毎年、田植え期にその年に収穫する米を予約し1年間届ける「予約登録米」の登録を呼びかけています。2011年産の登録者数は、17万名に達しました。東日本大震災でも全員に届けた信頼が、生産と食卓をつないでいます。

作る人と食べる人が支えあうお米です

予約登録米は、1993年の冷害による米不足を契機に、1995年に開始したパルシステム独自の制度です。通常は、田植え前の段階で産地と1年間の契約を結び、登録者分を優先的に届けます。

パルシステムが取り扱う米は、すべて産直産地で生産される産直米です。さらに予約登録米のほとんどは「コア・フード」もしくは「エコ・チャレンジ」(※)基準で栽培されます。化学合成農薬や化学肥料にできる限り頼らない環境保全型の米づくりは、売れ残ると慣行栽培と同じ価格で売らなければなりません。予約登録米ではこうしたリスクを軽減でき、収穫前から「年間購入予約」をすることが生産者を応援する制度にもなっています。

予約登録米

※「コア・フード」「エコ・チャレンジ」の栽培基準
「コア・フード」栽培米の基準=化学合成農薬(除草剤・殺虫剤・殺菌剤)および化学肥料不使用の有機(JAS認証)もしくはそれに準じた栽培
「エコ・チャレンジ」栽培米の基準…化学合成農薬、化学肥料の使用を慣行栽培の2分の1以下に削減し、かつパルシステムが独自に定める人体や環境に対して影響が大きい「優先排除農薬」「問題農薬」の不使用を実現した栽培

田んぼ3,100haがすでに予約済み!

2011年産の予約登録米は、登録者数が前年比106.5%の17万2,596名となりました。登録者数は年々増加しています。

年間ベースでの数量は26万8,712点(前年比108.3%)、重量は1万4,635t(精米ベース)の計算になります。これはおよそ25万人分の年間消費量に相当します(※1)。また、米の作付面積で計算すると約3,100haとなり、山手線内側(約63平方km)の半分に相当します。(※2)。

※1…農林水産省「食料需給表」(2009年概算…1人あたり58.5kg)より算出。

※2…精米ベースの重量を玄米ベースで計算(=×1.1)した上で農林水産省「作物統計」(10aあたり522kg)を基に算出。

震災の混乱でもすべての登録者へ届けました

3月に発生した東日本大震災では、物流網の寸断などから大規模被害にあった東北3県だけでなく首都圏地域でも食料品が不足する事態が発生しました。特に主食である米は、長期にわたり品薄の状況が続きました。

パルシステムの産直産地でもガソリン不足や倉庫の荷崩れなどで出荷できないところもありましたが、パルシステムは震災後も一貫して予約登録米に登録していた組合員全員に対し、米を供給することができました(※)。

※震災により予約した銘柄が物流センターに届かなかったり、届いても計画停電の影響で仕分けできなかったりする事態も発生しました。パルシステムでは別の銘柄や精米(無洗米など)の米を調達し、代替品として届けました。

 

【参考】

登録点数ベスト5 前年順位
1 エコ・秋田あきたこまち(無洗米・普通精米) 1位
2 エコ・新潟こしひかり(無洗米・普通精米) 2位
3 エコ・青森つがるロマン(無洗米) 5位
4 エコ・宮城ひとめぼれ(無洗米・普通精米) 4位
5 北海道ほしのゆめ(無洗米・普通精米) 3位

 

伸び率ベスト5 伸び率
1 北海道ななつぼし(無洗米・普通精米) 247.7%
2 エコ・青森つがるロマン(無洗米) 139.4%
3 エコ・秋田あきたこまち(無洗米・普通精米) 113.5%
4 エコ・庄内はえぬき(無洗米・胚芽米) 109.0%
5 エコ・新潟こしひかり(無洗米・普通精米) 104.2%

【関連リンク】
産直いきいきコミュニティ(「ごはんもう1杯」プロジェクト紹介など)
ファーマーズネットホームページ(産直通信や予約登録米データなどがご覧になれます)
社会貢献活動レポート「パルシステムの予約登録米」