キッチンライブ&スペシャルトーク「心とからだに海からの贈り物」― 料理研究家・喜多マリコさん×邑久町漁協 ―を開催しました。

2026年3月25日

パルシステム連合会は3月6日(金)、兵庫で大人気の料理教室を主宰する料理研究家の喜多マリコさんと、パルシステムの水産産直産地の一つである邑久町漁協の松本正樹組合長を招き、オンライントークイベント「超えトーク(*)」を開催しました。食を通じて産地と直接つながる楽しさや人と人との絆についてなど、お二人からトコトン語っていただき、組合員や役職員ら206名が参加しました。

\ 産地の熱い想いや、魚を家庭で楽しむレシピなど盛りだくさんのアーカイブ動画を公開中 /

※本アーカイブ動画ならびにレシピカード(PDF)は、申込者限定コンテンツとしていましたが、講師のご厚意により一般公開とさせていただきました。レシピカードはコチラからアンケートにご回答いただくとPDFデータをダウンロードできます。動画・PDFは予告なく公開を終了とさせていただく場合がございます。何卒ご了承ください。

生産者の想いをキッチンから食卓へつなぐ

イベントの冒頭では、喜多マリコさんの活動内容の紹介がありました。喜多さんは、兵庫県でBon-Mark Kitchen Labを拠点に料理教室を主宰する傍ら、邑久町漁協のキッチンアドバイザーとして、産地の魅力を伝えるレシピ開発や食育活動に長年携わっています。「牡蠣がおいしいのはもちろんですが、その背景や想いを伝えることで、もっとおいしさが伝えられると思って活動している」と、産地と食卓をつなぐ熱意を語りました。

冒頭、クロストークで2人を深堀り。松本組合長は、実は牡蠣が苦手でリハビリ中!

「家で牡蠣を食べる頻度を増やしてほしい」という思いから、家庭で作れるレシピを紹介

邑久町漁協の「持続可能な海づくり」への挑戦

松本組合長からは、邑久町の海を次世代につなぐためのさまざまな活動が紹介されました。邑久町漁協は2019年に、牡蠣の「垂下式養殖」として日本で初めて、持続可能な漁業の証であるMSC国際認証を取得しています。絶滅危惧種のスナメリクジラが安心して子育てに訪れるほど豊かな海を守っていることがMSC国際認証取得にもつながりました。
また、邑久町の海で生まれた卵を採取して育てる「地種(じだね)」による循環型養殖を行っており、その比率は95%を超えています。
環境保全への取り組みも多岐にわたり、「海のゆりかご」として魚の産卵場所となる海草「アマモ」の再生活動を20年以上続け、パルシステムの組合員や地元の小学生とともに行う活動へと発展させてきています。

産地の現状。猛暑による牡蠣の大量死を乗り越えて

イベントでは、産地が直面している厳しい現状についても触れられました。この冬、昨夏の記録的な猛暑による海水温の上昇と、雨不足による高塩分が原因で、岡山県で1割から9割、瀬戸内海全域で5割以上の牡蠣が死んでしまう「へい死」という甚大な被害が発生しました。こうした困難な状況を受け、松本組合長は「食べていただくこと、買っていただくことによって漁業が持続できる。頑張っていきますので今後もよろしくお願いします」と力強く語りました。

島と島の間から朝日が顔を出し、手前に牡蠣いかだが見える、邑久町の美しい景色。

邑久町漁協の7つの取り組み。1.3.5.7の取り組みがMSC国際認証取得に必要。

喜多マリコさんによるライブキッチンで魚料理6品を紹介!

続いて、料理研究家の喜多マリコさんは、パルシステムの「浜蒸し牡蠣」など魚介を使った、おうちで手軽にできる6品のレシピを実演も交えて紹介しました 。クリームシチューの素を使って作れる「牡蠣のグラタン」のほか、白身魚に粉チーズとオリーブオイルを混ぜたパン粉を乗せてトースターで焼く「魚のパン粉焼き」や、雑穀米にしらすや豆を加えた「しらす入り雑穀ご飯」、大根おろしをたっぷり入れた「つみれ入りおろし汁」など、日々の献立に役立つアイデアが次々と披露されました 。参加者から「全部作ってみたい」といった声も寄せられ、大変好評でした。司会からも「魚にパン粉を載せて焼いただけなのに簡単でおいしい」と笑顔で試食しました。

つみれ入りおろし汁に使用している大根は、皮と実の間に栄養があるので、皮ごとおろすのがポイント。

左上から時計回りに、「牡蠣のグラタン」「バジルトースト」「魚のパン粉焼き(タラ)」「つみれ入りおろし汁」「ひじきふりかけ」「しらす入り雑穀ご飯」。

質問コーナーでは、参加者からの質問にも、時間の限りお答えいただきました。「子どもに魚を食べさせるコツは?」の質問には喜多さんから「食べやすい白身魚にすることや、お子さんの好きな味付け(照り焼きやフライなど)にするのがおすすめ。一緒に調理することも、魚を食べるきっかけになる」とアドバイスしました。また、「料理は地域を変えられると思うか?」という質問に対して喜多さんは、「料理で地域を直接変えるのは難しいかと思いますが、料理と一緒にその裏側にあるエピソードも話すことで、生産者と消費者の方をつなげられる。少しずつみんなに知ってもらい、消費してもらうこと地域にも繋がっているのかなと思う」と語りました。松本組合長からも、「もともとは、漁協は商品を作ることに100%の力をふるえばよかった。だが、商品の活用の幅を広げることで消費も増え、生産者が作る牡蠣の量も増やせると感じた。だから、今回のように喜多さんにさまざまな提案をしていただけることは、産地としてはありがたい話。地域を変えられる力があると思う」と想いを伝えました。消費者ができる応援については、松本組合長から「パルシステムを通じて寄せられる『美味しかった』という組合員の声が、漁師にとって一番の励みになる」と語りました 。
イベント中は、「いいね」や共感を示すリアクションがウェビナーの配信画面いっぱいに広がったほか、「邑久町の持続可能な牡蠣養殖を応援しています」「この企画に感謝しています。早速今晩牡蠣をいただきます」といった感想も寄せられました。

最後に2人から「ぜひ今日のレシピをアレンジしておうちでも作ってみてください」「漁師のみんなの心の支えは皆さんの協力。これからもいい牡蠣もつくっていきたい」とメッセージを送って締めくくりました。

*パルシステムでは2022年より「もっといい明日へ超えてく」を掲げて、一人ひとりの行動で未来が楽しみになるサステナブルな活動に取り組み、社会課題やくらしの悩みなどをテーマにオンラインイベントを開催しています。

講師紹介

喜多 マリコ
(料理研究家、邑久町漁協キッチンアドバイザー)

兵庫県出身。大学の栄養学部にて4年間学び、管理栄養士・フードスペシャリストの資格を取得。
卒業後は給食委託会社に入社し、14年間にわたり病院給食の現場に従事。病態別献立の作成や栄養管理など、実践的な臨床栄養の経験を積む。
2015年より料理教室「美味しい教室」を主宰。
2017年からはBon-Mark Kitchen Labを拠点に、料理研究家として活動を本格化。料理教室をはじめ、自治体、地域生産者、企業と連携し料理研究、商品開発、イベント企画など幅広く手がけている。
「日本一の美味しいの物語」をつくることを目標に「食」の裏側にある想いや背景、地域とのつながり、食文化を大切にし、それらを“伝え、つなげる”活動を積極的に行なっている。

松本 正樹
(邑久町漁業協同組合 代表理事組合長)

岡山県備前市出身。日用雑貨総合卸商社に20年勤務した後、1999年に妻の実家の家業であるカキ養殖に就く。2018年に非常勤の組合長に就任するが、非常勤ではどちらの仕事も満足できず、2020年にカキ養殖を廃業し常勤組合長に専念する。
邑久町漁協は2019年に垂下式カキ漁業で世界初のMSC漁業認証(海のエコラベル)を取得。翌2020年、パルシステムの14番目の水産産直産地として産直提携を締結。豊かな海を守るため、海の生きもののすみかとなる「アマモ」などの藻場再生活動の推進や、かき殻の米栽培の肥料への活用など、環境に配慮した活動を積極的に展開している。

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