【3/8 オンライン学習会】『未来の「食」ってどうなるの?-気候変動×食料問題-』

2024年4月16日

パルシステム連合会は3月8日(金)に『未来の「食」ってどうなるの?-気候変動×食料問題-』を開催し243名の参加がありました。

気候変動は私たちの食べることにつながっている

基調講演として、一般社団法人 Climate Integrate代表理事の平田仁子さんより、食料・生産消費システムにおける気候変動の影響などについてお話しいただきました。化石燃料の燃焼をはじめとした人間の活動が主な要因となり、過去に前例がない規模とスピードで気候変動が加速しています。世界では気温上昇を1.5℃に抑えるという目標を掲げていますが、2023年は観測史上最も暑い年を記録し、気温が1.45℃上昇しました。すでに、各地で災害や気温の激しい変化が起こり、「生産地」、「経済」、「健康」などに影響を与えています。食料を消費するプロセスで約30%にものぼる温室効果ガスを排出していることから、私たちが普段のくらしからできることについて課題提起がなされました。

後半には、NPO 法人チルドリン代表理事の蒲生美智代さんをファシリテーターに「生産者と超えていこう!気候変動×食料問題」をテーマに、約70分間のパネルディスカッションを行いました。「酷暑による生産への影響」、「後継者不足」、「生産現場で取り組んでいる環境配慮の事例」のテーマに沿って話が進められました。パルシステムの生産者のやまなし特栽協同組合の雨宮政揮さんからは、酷暑の影響による着色不良や浸水症で果樹が出荷できない状況、山梨県で推進している炭素貯留の具体的な取り組み「4パーミル・イニシアチブ認証制度」への参画についてお話しいただきました。JAつくば市谷田部産直部会所属、生消協代表幹事の小川保さんからは公開確認会や組合員との交流企画を通した相互理解が重要であること、新規就労者に対してはワークライフバランスへの配慮も必要なことなどお話しいただきました。千葉県漁業協同組合連合会の宮地直一さんからは、海面水温上昇による東京湾の環境変化の問題(さばやあさり、のりの漁獲量の減少、クロダイによる食害など)漁業者の担い手が減少する中で就業支援活動を行っていることが報告され、私たちにできることとして生活排水への配慮やビーチクリーン活動への参加が提案されました。生産の現場を知り、産地を訪問し継続して応援していくことが気候変動を抑える対策の一助となることが分かりました。

参加者の感想(一部抜粋)

・世界の状況から身近な食を担ってくれている生産者の現場の声まで聞くことができてよかった。この過酷な状況で食の生産現場に関わってくれている生産者に感謝しかないし、食べていきたい。また本当に国単位でなんとかしなければならない状況であることに危機感をあらたにしました。

・大変勉強になりました。世界及び日本が置かれている現状や、生産者の方々の現状、ご苦労、行っていることを良く知ることができました。知ることから行動へとつなげ、できることから行ってゆきたいと思います。

・地球温暖化防止のために、食も見直していかなければならないということが衝撃でした。それによって職を失う人も出てくるということですので、本当にみんなで考えなければならない問題だと思いました。

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