産地へ行こう。『ホタルイカの町 魚津の海と山 水の循環を感じよう!』を開催しました。

2016年8月22日

産地へ行こう。『ホタルイカの町 魚津の海と山 水の循環を感じよう!』を開催

富山県・魚津市の食と自然環境を堪能

パルシステムの「ほたるいか醤油漬け」の産直産地 魚津。多くの体験・交流を通して様々な角度から魚津について学ぶことが出来た2日間でした!

ツアー1日目

遊覧船で漁場へ!

遊覧船で漁場へ!

ホタルイカの目取り作業は難しい!

ホタルイカの目取り作業は難しい!

多く漁協の方々が受け入れてくださいました。

多く漁協の方々が受け入れてくださいました。

【日程】東京駅→《北陸新幹線》→黒部宇奈月温泉駅→ホタルイカミュージアム→魚津港 遊覧船より定置網漁場見学→お魚ランドにてホタルイカ目取り体験→金太郎温泉夕食交流会・宿泊

2015年春に開業した北陸新幹線に乗り、富山県 黒部宇奈月温泉駅に到着すると魚津漁協の方々がお出迎えしていただきました。バスの中で浜住専務から魚津の定置網漁のお話しを伺いながら、まずはホタルイカミュージアムを訪れました。

映像とスタッフさんの解説にてホタルイカの漁の様子やホタルイカの発光の仕組みなど生態について学びました。

 

その後は遊覧船に乗り、実際に定置網が仕掛けてある漁場を見学しました。船で5分もたたないうちに漁場に到着です。海岸からすぐの場所でも水深は約80mと急深な富山湾、そしてこんなにも漁場が近いことを感じ取ることが出来ました。魚津の定置網の網は、今では珍しく藁で出来ており、漁が終わると海に沈め自然に還すそうです。この沈めた藁の網がホタルイカの赤ちゃんなど海の生き物をはぐくむ場所となります。

ホタルイカは飼育や養殖が出来ず、繊細な生き物だそうです。漁から水揚げまで距離も時間も短いこの近さが、美味しいホタルイカの秘訣とのことでした。

残念ながらくもり空で北アルプスの山々を望むことは出来ませんでしたが、山からこんなに近くに豊かな漁場があることがよく分かりました。

 

船を降り、次はお魚ランドでホタルイカの目玉取り体験に挑戦です。お魚ランドは高度衛生型荷さばき施設で、マスク・キャップ・白衣・長靴を身に着けエアシャワーを浴びてから中に入ります。施設の中でホタルイカ醤油漬けが商品になるまでの工程を、パネルを見ながら説明をしてもらいました。今回はその中の作業工程の一つ目玉取りを体験します。
まずは工場で日頃作業している方々にお手本を見せてもらい実際にやってみます。目玉を押し出すようにするそうなのですが、力加減が難しくつぶれてしまう方もいました。なんとか250グラム分の目玉取りを終えることが出来ましたが、工場のスタッフの方はこの量を1分でこなすそうです。
目玉を取ることによって調味液の濁りを防ぐ魚津のこだわり。何気なく食べている醤油漬けに大変な手間がかかっていることを実感しました。

 

宿泊先の金太郎温泉では広々した湯につかり、魚津漁協の方々を交え夕食交流会です。魚津漁協さんから食材を差し入れいただき、富山県の海の幸をいただきながら交流を深めました。なかでもバイ貝が美味しく魚津の味を堪能しました。参加した組合員からの自己紹介では地引網が楽しみ、富山の美味しいものを食べるのが楽しみ、ホタルイカの目玉取りがこんなに大変だと思わなかったなど、感想や今回楽しみにしていたことなど発表いただきました。漁協さんからは「明日も美味しい昼食用意しているので地引網頑張ろう!」などメッセージをいただきました。

ツアー2日目

みんなで力を合わせて地引網を引きます。

みんなで力を合わせて地引網を引きます。

たくさんの種類に子どもは大喜び!

たくさんの種類に子どもは大喜び!

かたい根を掘り起こし植樹しました。

かたい根を掘り起こし植樹しました。

漁協の方々から昼食をいただきました。

漁協の方々から昼食をいただきました。

埋没林博物館で魚津の環境を学びなおしました。

埋没林博物館で魚津の環境を学びなおしました。

宿→経田漁港 地引網→片貝山の守キャンプ場(記念植樹、昼食)→円筒分水槽→埋没林博物館→海の駅蜃気楼(買い物)→黒部宇奈月温泉駅→《北陸新幹線》→東京駅

2日目はまずは地引網。早朝に仕掛けていただいた網を、よいしょ!よいしょ!と声をかけてみんなで力合わせて引きます。初めの頃は途方もなく遠くにあるような気がした網を30分程頑張って引き続け、水揚げの瞬間 ピチピチと跳ねる魚がたちにみんな大興奮。

マダイ、イシダイ、カワハギ、ホウボウ、オコゼ、ベラ、ニギス、アマンボウなどたくさんの魚が獲れました。間近で生きた魚たちを触ることがなかなかない子どもたちは初めおっかなびっくりでしたが、たくさん触っていました。

 

今回のテーマは「魚津 海と山 水の循環を感じるツアー」。魚津市は海抜0mから標高2,400mの山岳地帯までが奥行約25キロと世界的にもまれな急峻な地形です。この特異的な地形のために富山湾で蒸発した海水が、山岳地帯に雨となり降って、河川や伏流水、地下水となって、再び富山湾に注ぐ水循環が魚津市内で完結しています。

午後は海から山に入ります。扇状地を抜け車で30分も走ると上流の豊かな森が広がる山岳地帯です。今回は地域の森林組合の方を交え、水が循環していて豊かな山・川・海は繋がっていることを感じ取ってもらうために記念植樹をしました。

 

昼食は魚津漁協女性職員の方々に手作りしていただいたバイ飯、ゲンゲのから揚げ、地引網で獲れた魚の入った味噌汁をいただきました。地引網・植樹でほどよく疲れた体に心地よく、片貝川上流で気持ちの良いのんびりした時間を過ごしました。

山から海にくだる途中、農業用水を公平に分配するための円筒分水槽を見学しました。上流から流れていく水を円柱型の水槽に汲み上げ、水路の幅で田んぼに均等に水が流れるような仕組みです。あたり一面は富山コシヒカリの田んぼが広がり、ここでも水循環の一端を垣間見ることが出来ました。

最後は埋没林博物館を見学しました。ここでは蜃気楼や埋没林について学べるだけではなく、魚津の水循環についても詳しい展示があり、2日間の良いまとめとなりました。

 

2日間で様々な角度から魚津を見ることが出来ました。漁場・山がこんなにも近くにある魚津の特異な地形。水が循環しその中の一部が漁業であること。温かく熱心な漁業の方々。

今回、産地へ行こうとしては初企画でしたが、多くのことを感じ取っていただけたと思います。

参加者の声(一部抜粋)

お世話になりました。皆様の取り組みが未来をつくるのだと思います。私たちは食べることでお手伝いをします。魚津の海や山のこと、皆様のこと忘れません。ありがとうございました。

魚津の皆さまには今回初めての企画ということで大変お骨折りをおかけしたことと思います。が、ホタルイカのこと(獲り方、地形のこと、水のこと)を知ることができ、しかも身近に見たり体験でき、さらに愛着がわいております。何かにつけ周囲の知人友人に話をし、しかも私自身もチラシにホタルイカが出た時には、いの一番に購入したいと思います。魚を育て、海を良くするには長い年月がかかることでしょうが、日々遠い将来の子孫のためにも頑張ってください。エールを送っています。

各プログラムの間に関連があり、1つ1つ見ていくよりもずっとよくわかって良かったと思います。富山県初めてでしたが、ほたるいか、地引網、円筒分水槽、埋没林、蜃気楼と印象的な内容でまた違う季節に訪れてみたいと思いました。皆さんのあたたかさに触れて、たのしい2日間でした。ありがとうございました!甘エビの昆布占めやその他の水産加工品、パルシステムで見かけたら注文してまた食べてみようと思います。

植樹をしたことで、木を手入れしないと木が痛み育たないことを知りました。森と海はつながってるんですよね。今回のツアーでさらに自然環境の大切さ、自然の営みを再確認でき良かったです。