「脱炭素社会」の実現に向け、再生可能エネルギーの現場で役職員研修

2024年8月5日

パルシステム連合会 環境委員会では、“再生可能エネルギー”について学んで伝えていくことに取り組んでいます。7月12日(金)、13日(土)両日、パルシステムでんきの発電産地である、株式会社十文字チキンカンパニー、飯舘電力株式会社、株式会社元気アップつちゆを訪問し、環境委員およびグループ役職員21名が研修を行いました。

●「『人・動物・環境の健康』を考える」|十文字チキンカンパニー

産直鶏『までっこ鶏』の産地である十文字チキンカンパニー。“までっこ”とは岩手県北部の方言で“丁寧に”という意味。光と風が入る鶏舎を見学し、出荷後の清掃・洗浄作業を手作業中心で徹底的に行い、飼育全期間で飼料に抗生物質・合成抗菌剤を使用しない飼育の実現を学びました。その後岩手農協チキンフーズ株式会社八幡平工場にてわたしたちが食べやすいよう、また極力無駄にならないよう、熟練の手さばきでスピーディーに加工されている様子を視察しました。
最後に鶏糞を活用したバイオマス発電所を見学。毎日約400tも出る鶏糞のさらなる有効活用を目指し、2016年に発電を開始しました。発電時に出る燃焼灰も肥料の原料としてリサイクルされています。十文字チキンカンパニーが掲げる「『人・動物・環境の健康』を考える」というメッセージを体感した1日となりました。

バイオマス発電所の燃料(鶏糞)供給クレーンを見学

●原発事故被災地と再エネの今を知る|飯舘電力

2日目は、飯館電力の千葉さんに案内していただきながら、被災地の今と太陽光発電を中心とした再生可能エネルギー事業の実情について学びました。
原発事故から14年目に入り、一見震災前のくらしが戻ったかのように見える飯館村長泥地区を回り多額の補償金によって整備された公共施設や住宅はあっても、震災前のような賑わいやコミュニティ、文化活動などが失われた実情を目の当たりにしました。
飯館電力では「原発事故の風化防止」と「再エネの普及」のために、バーチャルツアーや研修などで被災地の今について様々な形で発信し続けています。

●持続可能な地熱発電|元気アップつちゆ

福島市の山あいにある土湯温泉町は年間36万人(2010年)の観光客が訪れる人気の温泉郷でしたが、原発事故の風評被害により観光客が激減。土湯が持つ河の流れ、温泉による地熱を活用した、新しい地域づくりとして立ち上がったのが「元気アップつちゆ」でした。
元気アップつちゆで採用している「バイナリー発電」は中低温(50~200℃)の地熱に適した地熱発電方式で140℃程度の温水と蒸気を利用して、温泉熱で沸点の低い媒体を蒸発気化。その蒸気で発電するので、発電利用による温泉効能の変化や減少枯渇の心配もありません。発電所の冷却水を活用した“オニテナガエビ完全養殖”も確認し、地産地消の再生可能エネルギーのあり方について学びました。

「バイナリー発電」装置を見学


パルシステムは、2012年からエネルギー消費を「減らす」、原子力発電を「止める」、再生可能エネルギーに「切り替える」ことに取り組んできました。2023年には新たに「環境・エネルギー政策」を策定し、さらに取り組みを加速させています。本研修も今後の活動に活かしてまいります。
▽関連リンク
パルシステムの「環境・環境エネルギー政策」