陸と海をつなぎ持続可能なサンゴの村づくり 「恩納村コープサンゴの森連絡会」が蜜源木を植栽
2022年5月16日
4月16日(土)、「恩納村コープサンゴの森連絡会」は沖縄県・恩納村で報告会を開催。海の環境を守る取り組み報告、ハニー&コーラルプロジェクトについて教授後、蜜源木の植栽を行いました。
パルシステムはPB商品「恩納もずく」の商品代金の一部をサンゴの植え付けに役立てる仕組みを作り、産地である恩納村漁協の、海を守り育む“里海づくり”を応援しています。
「恩納村コープサンゴの森連絡会」は、恩納村、恩納村漁協、もずくメーカーの(株)井ゲタ竹内、当会ほか全国から生協が参加し、一体となって環境保全を推し進める組織で、2017年12月に恩納村とパートナーシップ協定を締結。会長を当会専務理事・渋澤温之が務めています。
沖縄県では台風などの大雨で農家の畑から耕土が海域へ流出し、もずく・サンゴ養殖はもとより海域への環境影響が懸念されています。恩納村は赤土等流出防止対策協議会を設立し、恩納村コープサンゴの森連絡会もその活動を支援しています。
今回、関係者約60名が参加し、赤土等流出防止取り組み報告、新たな対策として注目されている「ハニー&コーラルプロジェクト」について学んだあと、蜜源木となるクロヨナとさるすべりを植栽しました。
取り組みや今後の方向性を確認
開会あいさつで当会専務理事・渋澤温之は「コロナ禍で約2年ぶりに集合で開催できうれしい。恩納村の海を育む取り組みのこれまでと今後について、参加者全員で確認していきましょう」と期待しました。
報告会では、恩納村教育委員会からは恩納村立うんな中学校と地元企業の商品開発について、恩納村の農業環境コーディネーターを務める桐野龍氏からは赤土流出の現場や対策前後の違いなど写真を用いた説明、ハニー&コーラルプロジェクトの経緯や進捗状況を聞きました。首里新垣養蜂店・養蜂指導者の新垣伝氏は、「農家へ養蜂の技術指導を続け、環境指標生物として活用されているミツバチで沖縄の自然を豊かにしていきたい」。沖縄科学技術大学院大学の吉村正志氏からは恩納村の森とその活用について説明がありました。
ミツバチとサンゴで持続可能なまちづくり
「ハニー&コーラルプロジェクト」は蜜源木を植えて赤土の流出を防ぎ、サンゴを保全する活動です。農家は蜜源木で養蜂を行うことで土の流出対策の負担軽減につながります。さらに地域環境を育み、ハチミツは環境保全ブランドとして地域経済や観光資源にも貢献しています。今では賛同者も増え、恩納村の農業、漁業、観光業、公共機関などが手を取り合い、取り組みを進めています。プロジェクトでは今後も蜜源木の植栽を推進し、農家へ養蜂技術の指導も続けます。
「人と自然の共生」を未来へつなぐ
最後に恩納村立うんな中学校の花壇に蜜源木となるクロヨナとサルスベリの植栽を行いました。クロヨナは春と秋、さるすべりは夏に花が咲くため、長い時期ハチミツを取ることができるということです。恩納村コープサンゴの森連絡会事務局長は、「この活動を私たちの代で終わらせてはならない。若い世代にしっかりと活動の意義を伝え、今後のさらなる発展につなげていきたい」と報告会を締めくくりました。
パルシステムは今後も、恩納村での豊かな海を守り育む「里海づくり」のほか、商品づくりや交流を通じ、つくり手と食べ手、地域をつなぎ、身近なくらしの視点でSDGsの掲げる「誰ひとり取り残さない」共生社会の実現をめざします。
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