沖縄県・恩納村で「里海カンファレンス」開催 海を育む、人と活動をネットワーク
2019年12月17日
パルシステムのPB商品「恩納もずく」を生産する沖縄県・恩納村漁協は、海の生物のすみかとなり豊かな生態系を育むサンゴを植え付けることで、海を守り、育む“里海づくり”を行っています。恩納村は昨年、「サンゴの保全と再生」を真ん中に、農業、漁業、観光業、社会教育など、村全体の発展をめざすとして「サンゴの村宣言」を行い、SDGs未来都市に選定(2019年7月1日)されました。
パルシステムは2009年に、恩納村漁協、もずくメーカーの(株)井ゲタ竹内、恩納村とともに「恩納村美ら海産直協議会」を設立。商品代金の一部をサンゴの植え付けに役立てる仕組みを作り、2018年度末までに累計1万300本のサンゴを植え付けています。
パートナーシップで里海とサンゴを保全
2017年12月には、恩納村と「恩納村コープサンゴの森連絡会」はパートナーシップ協定を締結しました。「恩納村コープサンゴの森連絡会」は、恩納村、恩納村漁協、(株)井ゲタ竹内、当会ほか全国から生協が参加しており、恩納村とメーカー、生協が一体となって環境保全を推し進める体制が確認されています。なお、同連絡会の会長を当会専務理事・渋澤温之が務めています。
「里海カンファレンスin恩納村2019」は12月7日(土)に、沖縄科学技術大学院大学(OIST)で開催されました。「里海の価値の協創」と「沖縄の地域特性を活かした里海づくり」をテーマに、各地で活動する研究者、学生、行政、企業、NPO、生活協同組合が集い、事例報告しました。里海とは「人手が加わることにより生物生産性と生物多様性が高くなった沿岸海域」(環境省)をいい、人と自然が共生する場所として持続可能性が求められています。
パルシステムからは当会専務理事の渋澤が登壇し「生協活動における生産者と生み出す里海価値の協創」と題して活動を報告しました。「パルシステムは『地域に根ざした食生産や暮らしに貢献しているか』を大事に、事業を展開しています。生産者や消費者と『ともに、つくる』という関係性は、すなわち『協創』であり、われわれにとってかけがえのない価値です。生産されたもずくを、商品利用することで、里海が育まれていく――パートナーシップで、今後も持続可能な未来を創り上げていきたい」と展望しました。
恩納村が取り組む赤土対策を視察
沖縄県では台風などの大雨で、農家の畑から耕土が海域へ流出することで、もずく・サンゴ養殖はもとより海域への環境影響が懸念されています。恩納村では、赤土等流出防止対策協議会を設立し、パルシステムが参加する「恩納村美ら海産直協議会」もその活動を支援しています。カンファレンスの翌日には、恩納村の職員の方を講師に迎え、研修を行いました。
パルシステムはこれからも恩納村のほか、全国の生協や企業と連携し、豊かな海を守り育む「里海づくり」に取り組んでいきます。
恩納村コープサンゴの森連絡会
<構成団体>
コープCSネット事業連合(広島県)
東海コープ事業連合(愛知県)
生活協同組合連合会アイチョイス(愛知県)
コープ北陸事業連合(石川県)
生活協同組合コープしが(滋賀県)
京都生活協同組合(京都府)
生活協同組合コープこうべ(兵庫県)
生活協同組合おおさかパルコープ(大阪府)
大阪よどがわ市民生活協同組合(大阪府)
生活協同組合コープおきなわ(沖縄県)
恩納村(沖縄県)
恩納村漁業協同組合(沖縄県)
株式会社井ゲタ竹内(鳥取県)
パルシステム連合会(東京都)
( )内は所在地、もしくは本部所在地