うなぎをめぐる状況について学習会を開催 持続可能な資源利用への現状と課題

2019年6月17日

パルシステム連合会は、ニホンウナギが絶滅危惧種に指定された2013年に産直産地・大隅地区養まん漁業協同組合(鹿児島県)とともに「大隅うなぎ資源回復協議会」を設立し、うなぎの資源回復をめざして調査研究や情報発信など様々な取り組みを続けています。

水産庁を招き、うなぎの最新状況を学習

6月6日(木)、東京・東新宿本部事務所にて、直近のうなぎをめぐる状況について学習会を開催しました。当日は組合員、役職員など56名の参加があり、水産庁の図師尚文・内水面企画係長より、うなぎの状況と資源保護対策について報告がありました。

国際取引が規制されるワシントン条約附属書への掲載提案は2019年には実施されない見通しであることや、ニホンウナギの資源管理に向けて稚魚(シラスウナギ)のトレーサビリティ向上に向けた取り組みが進んでいることなどが報告されました。「科学的根拠に基づくニホンウナギの資源管理を実現するための科学者会合も始まりました。持続可能な養まん業をめざした生態調査や技術開発、生息環境の改善などにも尽力していきたい」と話しました。

シラスウナギ産地の明確化をめざして

大隅地区養まん漁業協同組合からは奥園久人さんが登壇し「誰が作り、誰が食べたかまでわかるのが、パルシステムならでは。これからも協議会の活動を積極的に推進したい」と抱負を述べました。また当会水産課より事業・活動報告し、市民活動と連携したニホンウナギ調査の実施や、シラスウナギの産地の明確化や流通の透明化に取り組む民間団体「日本シラスウナギ取扱者協議会」が発行する「シラスウナギ取扱証明書」の取得(2020年度に大隅地区養まん漁業協同組合の全てのうなぎでの証明書取得をめざす)など、新たな取り組みについても共有がありました。

会場からは、科学的根拠の進捗詳細についての質問が上がる等、活発に意見交換され、「食文化を大事にしようという気持ちが、資源保護運動の原動力」といった声もあがりました。

組合員が支える資源回復の取り組み

パルシステムでは、うなぎの資源回復に向けて2013年から「ニホンウナギの資源回復のためのポイントカンパ」を組合員より募集しています。2019年度も商品利用でたまったポイントを1口100ポイント(=100円)の支援カンパとする取り組みを行なっています(商品番号:190969)。2018年度は315万4,522円が寄せられました。ご協力ありがとうございました。

今夏(7月1回~7月5回)の取り組みとして大隅産のうなぎを使った対象商品1パックにつき10円を設定し、組合員負担ではなく生協として支援金を積み立てます。6月からは10万パック限定で、うなぎという資源を有効に活かすために、通常よりも大きく育てたうなぎの蒲焼を販売します。

パルシステムではこれからも、産地や行政、研究者とともに、資源回復活動に取り組んでいきます。

効果的な放流に向けた「放流モニタリング」を2019年6月に鹿児島県肝属郡肝付町の河川で実施し、パルシステム職員が「石倉かご」を用いたモニタリングに参加しました

▽関連リンク

パルシステム情報メディア「KOKOCARA(ココカラ)」|うなぎの資源回復の取り組みについて

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