公開シンポジウム「うな丼の未来Ⅳ」に登壇 丑の日のあり方を考える

2016年7月21日

▲様々な立場から丑の日について考えました

7月9日(土)、東京大学弥生講堂で公開シンポジウム「うな丼の未来Ⅳ」が開催されました。パルシステム連合会・秋山貴彦水産課長が総合討論のパネリストとして登壇し、「食べて守る」取り組みについて発言しました。

日本人のうなぎの食文化を守るために

2013年より、人とうなぎの共存をめざして開催されている東アジア鰻資源協議会主催の公開シンポジウムが催されました。4回目となる今年は「一年で食べられるうなぎの32%が一気に消費される、夏の土用の丑の日のあり方」について考えることをテーマに、さまざまな立場から200名を超す参加がありました。

塚本勝巳・日本大学教授による基調講演では「学者が進める究極のうなぎ保全法」と題し、産卵場所へ向かううなぎの保護や長期モニタリングのシステム作り、うなぎ食に対する社会の意識改革について言及しました。

また有路昌彦・近畿大学教授からは「一度枯渇した資源を回復させることは非常に難しく、消費者の協力無くしては不可能に近い。消費を代替可能な他のものに代えることが必要ではないでしょうか」と“うなぎ味のナマズ”が提案されました。

丑の日を保全について考えるきっかけに

総合討論ではそれぞれの立場からうなぎを守るためにできることを報告し合い、情報交流を図ることを目的とし、パルシステムの他にも、販売者、生産者、研究者が登壇しました。会場からは質問や意見が出され、活発な意見交換が行われました。

秋山水産課長からは、「うなぎは丑の日があるため、毎年考えるきっかけに恵まれています。近年は海洋の変化が大きく、本来取れていた資源が取れなくなっていますが、話題にならない魚もあります。丑の日には、天然の恵みをいただいていることを改めて認識し、うなぎだけでなく天然資源全体で考えていく必要があるのではないでしょうか」と呼びかけました。また、貴重な資源を有効利用する取り組みである大きく育てたうなぎに限定した蒲焼販売についても報告しました。

資源回復の取り組みについて報告する当会・秋山水産課長(中央左)

 

 

うなぎの「いま」から考えるわたしたちにできること(大隅うなぎ資源回復協議会ワークショップ)

パルシステムの商品「大隅産うなぎ蒲焼」