カードゲームでSDGsを身近に体感!子ども一人ひとりの「気付き」が未来を変える第一歩に(社会貢献活動レポート|2023年3月)
2023年3月30日
SDGsと通ずるパルシステムの取り組みをカードゲームで広げる
パルシステム神奈川では、2030年ビジョン「だれもが認めあい、ともにいきる地域づくり」のもと、SDGsの推進活動に取り組んでいます。そのひとつが「2030SDGsカードゲーム」(※1)を用いた出前講座。
2030年の世界をゴールにゲームをすすめることで、SDGsへの理解を深めるものです。誰もが参加できて、地域との連携やパルシステムの広報にもつながる取り組みを模索していた同生協。職員で体験し、このカードゲームなら効果的に活用できると、2019年から出前講座への導入に向けて準備が始まりました。
ゲームには、「公認ファシリテーター(※2)」という進行役の資格取得が必要とされます。職員から公募し、立候補したひとりが営業推進課の横山恵里香さんです。
「漠然としていたSDGsのことが体験会で腑に落ち、自分にできることがあると思えたのです。業務での伝える経験や、子ども好きなところを活かしながら、SDGsを広めたいと手をあげました」
※1:カードゲーム「2030SDGs(ニイゼロサンゼロ エスディージーズ)」は、(一社)イマココラボが開発。2~3人で1チームを構成し、与えられる時間・お金を使って、プロジェクトに取り組み、目標カードに決められたゴールを達成していきます。チーム内で話し合い、他チームの目的を理解、交渉しながらゲームをすすめます。重要とされるのが、プロジェクトを実行すると変化する「世界の状況メーター(経済、環境、社会)」。国連本部でもワークショップが開催され、話題となりました。
※2:イマココラボではSDGsの世界観を伝えるため、ゲーム開催には認定したファシリテーター(進行者)を必要としています。同法人の養成講座を受講して、認定。パルシステム神奈川では9人の公認ファシリテーターがいます(2023年2月現在)。「ゲームの世界」と「現実世界」をうまく紐づける進行役が、講座のカギを握ります。
児童たちの自主性を大切に活気ある講座を展開
この講座は3時間半程度。前半でSDGsの概要として17の目標やゲームのルールを説明。その後、チームに分かれてゲームを実践(作戦会議、前半、中間発表、後半、結果発表)、最後に全員でゲームを振り返りながら、今の世界が抱える問題や必要なアクションを共有します。
「このゲームは、世界が豊かな経済・環境・社会になることをめざして目標を達成していきます。子どもたちは、前半は自分たちのチームが目的達成(ゴール)するために取り組みますが、中間発表を経て後半に入ると、自チームのゴールだけでは3つのバランスがよくならないことに気付き、他チームとコミュニケーションをとって、全員でよりよい2030年の世界にします。子どもならではのこだわりなく協働する姿、これこそが豊かな未来に変える原動力だと感じています。おとなで開催すると、子どもたちのような結果はなかなか出せないんです(笑)」と横山さん。
子どもたちからおとなへ発信!未来は明るいと実感
横山さんがファシリテーターとして意識していることは、全員に関心をもってもらえるように、質問をしたり、身近に感じられるような話をしたりすることだそう。
「このゲームのゴールはひとつでなく、また正解もないので、自主性を大切にすることが重要なんです。少しでも自分ごととして気付きを得て、行動につなげてほしい」と話します。講座中は「横山さんのいちばん関心があるSDGsは何?」など、彼女自身の具体的な取り組みを聞かれることも多いそう。子どもたちの関心の高さに驚きながらも、この活動に携わってよかったと思う瞬間です。
「楽しい、もう1回やりたい!」「絶対にポイ捨てしない」など、子どもたちの声や体験が教師の間や親へと届き、同生協の出前講座の要望が地域に広まっています。
「今後は、組合員にも体験する機会をつくっていき、この活動に興味をもってくれる人がいるとうれしいですね」
出前講座の窓口・地域活動支援課より
出前講座をすすめるにあたり、ゲームといっても子どもたちにはむずかしくないかと不安でしたが、まったくの杞憂でした。受講した子どもたちの1年後の様子など、今後リスニングしていけたらと思っています。横山さんは業務同様、ファシリテーターにも意欲的。いかに興味や関心をもってもらうかを考え、講座時の服装にもこだわっていると聞いて驚いています。自ら楽しみながら、講座をブラッシュアップしてくれているのでとても頼もしいです。
パルシステム神奈川 地域活動支援課 課長 野本晃司さん
*ページの内容は2023年3月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合があります。 あらかじめご了承ください。