九州の高菜生産者102軒と連携 希少な国産原料を確保し持続可能な農業の実現へ

2022年12月12日

伝統製法の高菜漬けをサプライチェーン一丸で育みます

パルシステム連合会はこのたび、高菜漬けメーカー・前田食品工業有限会社(佐賀県西松浦郡、前田龍哉代表取締役)と契約する生産者からなる「前田食品高菜部会」と産直提携を締結しました。産直による安定的な栽培、供給により、生産が減少している高菜漬け原料を確保しながら経営の安定に貢献します。生産と加工、流通の食品サプライチェーンをつなぎ、伝統製法による高菜漬けを利用者の食卓まで届けます。

オリジナル商品化に「気合入る」

パルシステム連合会が産直提携を締結したのは、「前田食品高菜部会」です。佐賀、長崎両県を中心とする九州各地で高菜を栽培する102軒の生産者と高菜漬け製造者の前田食品工業が所属しています。同部会とパルシステムは、オリジナル商品の高菜製造に向けた話し合いを続け、2年越しで実現しました。提携の締結式では、部会長の佐藤清二さん(佐賀県・JA伊万里)が「生産者もしっかりしなくてはと気合いが入ります。よい高菜を届けられるようがんばります」とあいさつしました。

産直提携締結式

生産者との連携強化による原料調達

部会に所属する生産者のみなさんは、前田食品工業と契約し、有機質堆肥の土づくりからこだわり、減農薬の高菜を栽培しています。産直提携によって、これまで個別契約だった各生産者が組織化されることになります。より良質な高菜生産へ向け、作付計画や減農薬の栽培技術の共有など、連携強化を図る予定です。

高菜の収穫は機械化が難しい重労働で、生産者の高齢化もあり国内生産量は年々減少しています。このため、近年ラーメン店などでも需要が高まる高菜漬けは、中国産原料の流通が約4割を占めています。希少化する国産原料の引き合いが強くなるなか、産直提携により安定した原料調達と持続可能な農業の実現を図ります。

減農薬栽培に取り組む高菜畑の視察

生産者との連携が不可欠な高菜漬け

1894年から漬物販売をはじめた前田食品工業は「生産者とともに高菜漬けを育む」との姿勢で九州産原料にこだわり、塩とウコンで漬け込む昔ながらの木桶製法を守り続けています。うまみを凝縮させるため、高菜は収穫後、畑で天日干しし、集荷後すぐに漬け込む必要があります。収穫から漬け込み、木桶の重石乗せと重労働が続く高菜漬け製造は、生産者との密な連携により継続しています。

パルシステムはオリジナル商品化の準備を進め、持続可能な農業・地域づくりにつながる高菜漬け製造の取り組みを利用者に伝え、消費の力で生産者とメーカーを応援していきます。

巨大な木桶に一束ずつ漬け込まれる高菜

ウコンと塩で漬ける伝統製法

パルシステムのサステナブルアクション「超えてく」

パルシステムは一人ひとりの考えや行動から、よりよい未来のために“半歩先”へ進むことを「超えてく」として、さまざまなサステナブルアクションを呼びかけています。これからも、地域産業の活性化につながる商品づくりを促進し、持続可能な生産と消費の実現をめざします。

パルシステムのサステナブルアクション/https://www.pal-system.co.jp/koeteku