故郷再生の願いに寄り添い、組合員と福島をつなぐ 楢葉町の復興手作り布ぞうり(社会貢献活動レポート|2021年9月)
2021年10月4日
スタディツアーで、楢葉の人々の笑顔や郷土愛に感動!
「たった8人で何千足も作っていると知り、驚きました!!」
これは、パルシステム東京狛江センターで供給に携わる荒井風花さんの「担当者ニュース」の一節です。荒井さんは、2020年2月、パルシステム東京が実施した「福島スタディツアー」に参加。楢葉町(ならはまち)を訪ね、「楢葉わらじ組(以下わらじ組)」との交流を体験しました。
東京電力福島第一原発の事故により、全住民が避難を余儀なくされた楢葉町。わらじ組は仮設住宅に避難していた人々が結成したグループで、故郷に戻った今も、古Tシャツを活用した布ぞうりづくりと販売を通じ、地域のコミュニティ再生に取り組んでいます。
わらじ組のみなさんの温かい人柄と故郷愛の強さに、心を動かされた荒井さん。
「笑顔がとても素敵でした。手元にある材料から新しいものを作り上げていこうとする前向きなパワーに触れ、私のほうが元気をもらえました」
現場を知ることで、「自分の言葉」で語れるように。
一方で楢葉町で目の当たりにしたのは、いまだに除染土が詰まったフレコンバックが積み上げられている光景や、新しい建物はあるものの人の姿がなく閑散としている様子。
「元通りになるのにはまだまだ時間がかかると実感しました。原発事故から時間が経つにつれて、私のなかでも福島の存在が少し遠くなっていたのですが、これじゃいけない、伝えていかなければと身が引き締まる思いでした」
3年間、毎週欠かさず担当者ニュースを作成するなど、日ごろから組合員とのコミュニケーションを大切にしている荒井さん。ツアーの体験談をつづった担当者ニュースは、反響も大きかったそうです。
「布ぞうりにどんな思いが込められているのか、みなさんがどんな生活をされているのかを直接見聞きし、自分の言葉で語れるようになったことが大きな収穫でしたね」
「組合員と福島と私たちが、ぐるっとつながったような気がした」
パルシステム東京では、以前から、古Tシャツの寄付や布ぞうりの購入を組合員に呼びかけ、わらじ組の活動をサポートしてきました。加えて今年は、同生協50周年記念に職員に配られたユニフォームを布ぞうりに再利用する企画も。
「私たちの毎日のがんばりが詰まっているTシャツがぞうりになって組合員の元に届く。そう考えると、わらじ組のみなさんと組合員と私たちとがぐるっとつながったようで感慨深いです」
ツアー参加前、布ぞうりを愛用している組合員を見かけていた荒井さん。履き心地のよさや作り手への感謝を口にする組合員の様子を伝えると、わらじ組のみなさんの笑顔がいっそう輝いたそう。
「私のなかだけに留めておくのはもったいない。少しでも多くの人と体験や知り得たことをシェアしたい。毎週組合員と顔を合わせるこの仕事だからこその醍醐味だと思っています」
わらじ組より
「わらじ組」発足当初から、パルシステム職員のみなさんが、材料となる古Tシャツの調達、販路開拓、販売等で支援してくれています。とくにパルシステム組合員への働きかけが大きな助けになっています。今まで多くの職員に楢葉町を訪れていただき、交流を深められたことは私たちの財産です。布ぞうり作りは私たちの“ 生き甲斐”です。これからもよろしくお願いします。
わらじ組一同
*ページの内容は2021年9月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合があります。 あらかじめご了承ください。