コロナ禍での生活困窮者支援 会員生協、連合会、グループが連携し対応(社会貢献活動レポート|2020年9月)
2020年10月15日
増え続ける生活困窮者 いまできる支援とは
コロナ禍においても「いま困っている人に対してできる支援はないか」と考え、パルシステムグループのなかで連携しながら、新たな支援に取り組んでいます。
「予備青果」を困っている人に届ける
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、各会員生協での地域活動は延期・中止をせざるを得ない状況になりました。その一方、充分に収入が得られず食べものに困っている人など、生活困窮者の数はますます増え、支援体制の強化が求められています。
パルシステムでは毎週セット後に余る予備分の青果を、子ども食堂や福祉施設などで活用できないかと、2019年度から仕組み化して取り組んでいる最中でした。今回はその仕組みを活用し、お弁当を作って配布する子ども食堂や、拠点での食料配布(フードパントリー)に青果を提供しました。
「予備青果」提供の仕組み
毎週発生するセットセンターでの「セット残」や小分けセンターでの「原料残」。これらを「予備青果」と呼び、提供先へ引き渡しやすいように、物流インフラを生かして各地域の配送センターへ届けています。
Q.欠品が出ているのに、なぜ「予備」が発生するの?
A.青果は産地出荷後に傷むことがあるため、交換用に正常な状態の「予備用青果」を用意しますが、傷みが出ない場合は余ってしまいます。また、青果全体が不足している状況下でも、予備は確保しながらセットするため、余りが出てしまうのは避けられません。
Q.どのようにして支援先に届けられるの?
A.あらかじめ合意書を交わした支援先が対象になっています。決められた日時に近くの配送センターまで取りに来る団体や、複数団体のネットワークをつくり、自分たちで運搬や配分先の割り振りを行う方々もいます。
会員生協の支援例
各地域で行われた、コロナ禍における困窮者支援の取り組みから一部を紹介します。このほかにもさまざまな支援が各会員生協で行われ、できることをできる範囲のなかで工夫し取り組みました。
パルシステム千葉
学習支援利用者にお弁当を無料配布
地域コミュニティづくりで連携しているワーカーズコープちばと協力し、習志野市の中高生学習支援を利用している世帯を対象に、お弁当の無料配布を実施。職員自身がお弁当作りに参加し、(株)パル・ミートの肉や(株)ジーピーエスの予備青果を使って87食を作りました。(5月28日実施)
支援に参加した職員の声
中学生の女の子が妹さんと来場。「ありがとうございます」と5人家族のお弁当を持ち帰りました。元気でまた会おうね。
パルシステム埼玉
一斉プチフードパントリー
パルシステムの予備青果を提供している「埼玉県子ども食堂ネットワーク」が、休校で余った給食用の食材をもとに、県内に85カ所ある支援団体を通じて一斉に食料配布を実施。パルシステムからも青果を提供したほか、職員が荷受け、仕分けなどの手伝いに参加しました。(5月29日実施)
支援に参加した職員の声
県内の子ども食堂のネットワークの強さ、つながりを実感しました。子どもたちの未来のためにはおとなたちの連携が必要です。
パルシステム静岡
ひとり親家庭への食品提供
ひとり親を支援する団体が県内3か所で開催した食料配布活動にて、果物や野菜を延べ195世帯へ寄贈、役職員延べ13名が当日運営に参加しました。ドライ食品の提供、選べる果実コーナーの設置と同時に、「ひとり親世帯臨時特別給付金」の情報提供なども行われました。(7月12、24、26日実施)
支援に参加した職員の声
詰めた食品を渡すだけでなく、楽しく選べるピックアップパントリーに挑戦!「八百屋さんみたい!」と訪れた親子に大好評でした。
こんな取り組みもしています 新宿ごはんプラス
「新宿ごはんプラス」は、毎月第1・3土曜日に都庁前の広場にて、生活困窮者向けにお弁当の配布を行う活動です。2020年4月からは配食数を150食に増加し、また毎週土曜日に開催できるよう体制を整えました。(株)ロジカルは、自社のトラックを使ってお弁当やテーブルなどといった備品の運搬、現地でお弁当の配布作業も行っています。
▽コロナ禍での活動を紹介した動画はこちらから
*ページの内容は2020年9月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合があります。 あらかじめご了承ください。