国会審議中の「国有林野管理経営法改正案」へ要望 森林資源の多面的機能に持続可能性を

2019年5月31日

パルシステム連合会は5月31日(金)、伊達忠一参議院議長に対し、現在審議されている「国有林野管理経営法改正案」への要望書を提出しました。多面的機能を保有する森林を持続可能なものとする制度設計などを求め、強い懸念を表明します。

「国有林野管理経営法改正案」は、5月21日(火)に衆議院本会議にて可決され、参議院農林水産委員会で審議されています。改正案では、大規模皆伐(すべて伐採する)後の再造林(森林再生)の担保が不透明なほか、一部の林業経営者に限定することから地域の中小林業者の淘汰が懸念されるなど、国内林業の持続可能性が危惧されています。

パルシステムでは、国土の保全、水源の涵(かん)養、自然災害の防止機能、林産物の供給といった森林の多面的機能を保全するため、地域の林業担い手の育成をはじめとする持続可能で長期的な視点に立った森林管理と、国産材の需給バランスが適切に保持できる制度を求めます。

要望の要旨は次の通りです。

1.国有林は、我が国の国土面積の約2割、森林面積の約3割を占め、重要な国民の財産であり、多面的機能を保有する森林を持続可能なものとなるような論点整理から制度設計を図るべきです。
2.樹木採取権の設定は、時期尚早です。
3.長期的な視点に立った森林管理と国産材の需給バランスが適切に保持できる制度を求めます。

パルシステム連合会が提出した意見全文は、別紙の通りです。

国有林野管理経営法改正案 審議についての要望(PDF)