地域の人同士で困りごとを解決 ”好きなこと”で役に立つ「おたがいさま水戸」の取り組み(社会貢献活動レポート|2019年1月)
2019年2月25日
趣味を生かして、庭木の手入れや草刈りを応援
家事の手伝いや通院の同行、庭の草とりなど、くらしのなかの困りごとや悩みごとを、同じ地域に住む人同士がお手伝いし合う有償ボランティアの取り組み、「おたがいさま水戸」。
「もともと地域のなかの助け合い活動には関心があったし、自分の趣味が人の役に立つなら、こんないいことはないと思ったんだよ」と語るのは、活動の担い手である「生活応援サポーター」のひとり、中村三郎さんです。20代の頃から盆栽や庭づくりをたしなみ、自前のチェーンソーや刈り払い機を所有。最初の活動は、高齢者宅の庭木の伐採でした。
「はしごにのぼって7~8本伐ったかな。危険がないように、体を木にロープでしばったり、チェーンソーの重さに負けないように神経を集中したりしなきゃならないんだけど、やり慣れているから苦ではなかったよ」
庭の草刈りを依頼された2件目では、広大な庭いっぱいに背丈ほどに伸びた草を、1日がかりできれいにしたそうです。
「高齢のご夫婦の家で、自分たちでは手に負えなくなったんだね。費用がかかりすぎて専門の業者には頼めなかったから助かった、と喜んでくれました」
「ここに電話すれば、なんとかしてもらえる」
「組合員」に限定せず、水戸市に住む誰もが利用できる「おたがいさま水戸」。2回の活動体験を通して中村さんは、「自分ではできないことを抱えて困っている人」が、身のまわりで想像以上にいることを改めて実感しました。
「自分のできることで、そういう人たちに積極的に関わっていきたいと思った。『おたがいさま水戸』は、スタートしたばかりで認知度はまだまだだけど、ゆくゆくは何か困ったことがあった時に、ここに電話すればなんとかしてくれる、と思い浮かべてもらえるような存在になれればいいね」
応援サポーターの増員が急務
「家事の援助だけでなく、体力の必要な依頼も多いから、男性ももっと増えたらいいと思う。ゴルフのお伴? いいんじゃない。いろんな趣味や特技をもつ人が集まってくれば、受けられる仕事の幅も広がっていくはず。自分の好きなことが、他の人のお役に立てるってうれしいものだよ」
現在、中村さんのような応援サポーターは48名。そのほとんどが、各生協の呼びかけで集まってきた女性です。ご近所同士でも、なかなか「手を貸して」と言いにくくなっている今、今後、ますます出番が増えることが予想される“おたがいさま水戸”。
「利用者に寄り添い、依頼をできるだけ断らない」が「おたがいさま水戸」のモットーですが、これまでには、サポーターのやりくりがどうしてもつかず、依頼を断らざるを得なかったケースも。“あてにしてもらう”ためにも、応援サポーターを増やしていくことが、差し迫った課題です。
セカンドリーグ茨城 副事務局長 中村 三郎 さん
旧パルシステム茨城 地域活動支援室在籍時に、セカンドリーグ立ち上げに携わりました。現在は、事務局業務に加え、農業応援の主旨で、茨城県内のこだわりの小さな産地を訪問しています。
*本ページの内容は2019年1月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合があります。 あらかじめご了承ください。