産地へ行こう。「うなぎのすむ川でうなぎの観察!」を開催
2018年11月12日
2018年8月2日(木)〜3日(金)うなぎの産地である鹿児島県大隅にて、産地へ行こう。「うなぎのすむ川でうなぎの観察!」が開催されました。幸い連日の厳しい暑さも若干和らいだ中、19名の組合員家族が参加しました。
ツアーダイジェスト
1日目は川に入り、石倉カゴを全員で引き上げ、モニタリング調査を行いました。子どもも大人に負けないくらい、大きな石を一生懸命運びました。4基の石倉カゴからは7個体のウナギが採捕されました。内2個体は再捕個体で、前回採捕時と同じ石倉カゴから再捕され、全長・体重ともに増大が確認されました。
また、石倉カゴには、テナガエビ類やカニ類、カワアナゴ等のハゼ類、絶滅危惧種のチワラスボなど、沢山の魚が入っていました。
子どもはもちろん、大人も童心にかえって川に入り、ウナギや他の生物を触って観察し、鹿児島の大自然の川の環境を体感しました。
モニタリング後は、大和水産の養殖池を見学させていただきました。
ビニールハウス内のコンクリートで出来た養殖池でのうなぎの養殖の仕方、餌のつくりかたなどを学び、エサを食べる何万匹ものウナギの群れに歓声が湧き上がりました。
夕食交流会では大隅地区養まん漁協の生産者の方々、九州大学の望岡典隆先生を交え、交流を深めました。
望岡先生からのウナギクイズ大会も行い、クイズを通して、ウナギ資源のことも学びました。
生産者は、今年のシラスウナギの状況や産地の状況についてお話しされました。
望岡先生からは、本日のモニタリングの総評を頂きました。
4年目となる本モニタリング調査について、年3回定期的にモニタリングすることでウナギの成長度合いや個体数の変動がわかり、資源の状態を把握するための貴重なデータが蓄積されていると述べられました。また、体重10-20gの小さいうなぎや汽水の池で育てたうなぎなど、最先端の手法で放流モニタリングに取り組んでいることもお話しされました。
最後に、川に入って魚のことを知り、天然のウナギを触ったりしたことは、川を守ろうという気持ちが生まれる、貴重な経験となったのでは、と述べられました。
2日目はたて場と加工場の見学をしました。
たて場ではウナギを1日以上餌だちし、流水にさらし、ウナギの匂いを消します。
ここでもウナギを触らせてもらい、ヌルヌルしたウナギの感触を再び感じました。
加工場では、薄っぺらのうなぎがふっくらと仕上がる工程を見て、大隅地区養まん漁協のうなぎ蒲焼の美味しさの秘訣を確認しました。
加工場見学後には、生産者が大切に育てたうなぎをお腹いっぱいいただきました。
うなぎの産地で生産者や研究者からうなぎへの思いや現状を聞き、実際に見て体験したことで、うなぎを守るために出来ることは何か、大人も子どもも真剣に考えた2日間となりました。
ツアーの様子を動画でご紹介
参加者の声(一部抜粋)
産地でしかできない体験でとてもよかったと思います。みんなで協力して調査をして結果を聞くのはとてもワクワクしました。
ただ単にうなぎって獲れなくなったんだとか、高級になっているんだなとニュースで聞いた情報を知るだけでなく、何故獲れなくなったのか、高額になっているのか、そしてこれからどうしてゆくべきか理解して自分で考える事が環境、資源を維持、改善させる一歩だと考えております。
何よりも無関心になる事が物事を悪化させると思っているからです。
この様な活動が拡がり、周知される事が環境、資源の維持、改善の小さな一歩となることを願っています。知りたいな。美味しいな…こんな小さな関心から識る環境、資源問題もあるのですから。