再生可能エネルギーで地域再生 パルシステムでんき 第2回発電産地交流会

2018年9月27日

再生可能エネルギーの選択が広がっています

9月3日(月)~4日(火)、パルシステムでんき第2回発電産地交流会を開催しました。二度目となる今回は、福島県の発電産地、「元気アップつちゆ(福島市)」と「飯舘電力(飯舘村)」を訪問しました。全国の発電産地の生産者と生協関係者、総勢78名が集い、再生可能エネルギーを広げる多様な取り組みや課題の共有、また発電産地の地域再生への思いも学びました。

2016年開始の組合員向け電力事業は、2018年8月現在、発電産地数29産地(44発電所)、契約組合員数14,500名となり、再生可能エネルギーの選択が広がっています。パルシステム連合会常務執行役員・太田賜嗣夫は開会にあたり「エネルギーの供給は、くらしのあり方を考えること。これからの世代に負担を残さないエネルギーを広げましょう」と挨拶しました。

温泉街の再生/元気アップつちゆ

「元気アップつちゆ」のある土湯温泉は、磐梯朝日国立公園内の歴史ある温泉街です。しかし、東日本大震災や原発事故による風評の影響を受け、16軒の旅館のうち5軒が廃業。地域存続の危機感から、地元温泉組合とNPO法人が出資し「元気アップつちゆ」を立ち上げました。

温泉の源泉による地熱発電(440kW)と渓流の砂防堰堤を利用した小水力発電(140kW)を開始し、2017年12月からパルシステムでんきに供給。再生可能エネルギー施設の見学ツアーなどにも取り組んでいます。代表の加藤勝一さんは「再生可能エネルギー事業を通して地域の活性化や温泉街の再生を考えています。多くの人に土湯温泉の新しい姿を見ていただきたい」と意気込みを語りました。

故郷は村民自らの手で守る/飯舘電力

飯舘村はなだらかな山々に囲まれた平地に農地や集落が連なり、「日本で最も美しい村連合」にも加盟する村。冷涼な気候の中で大切に飼育される「飯舘牛」はブランド牛肉として高い評価を得ていました。

しかし福島第一原発事故で全村避難となり、昨年3月にひとつの地区を除いて避難指示が解除されるも、6,000人あまりの村民のうち帰還者は1割ほど。農地の土壌は除染ではぎ取られ、除染土を入れたフレコンバッグも置かれるなど、簡単に耕作を再開できる状況ではありません。

「村に仕事がない状態で若い人は帰らない」「作物がだめなら電気を作ろう」と有志は「飯舘電力」を設立し、飯舘牛肥育のベテラン・小林稔さんが代表取締役社長に就任しました。村の地権者の土地を借りて設置した太陽光発電は39基が稼働し、計画中も含めると59基に。農地の上に太陽光パネルを設置する「ソーラーシェアリング」も取り組み、下で牧草を育てて飯舘牛の復活にもつなげることを目指しています。

「震災の記憶は薄れ始めているが、飯舘村は去年ようやく戻れるようになったばかり。村の現状を多くの人に知ってもらいたい」と取締役の千葉訓道さんは訴えました。

「半年後には、震災後初めての飯舘牛を出荷する予定。我が子のように細心の注意を払い育てている。その時がきたら、パルシステムの皆さんもぜひ応援してほしい」

飯舘電力には経営や出資、施工、保守管理などさまざまな形で村民がかかわり、不条理に奪われた大切な故郷を取り戻す試みと奮闘を、村民たち自ら始めています。

パルシステムでんき

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