パルシステムのお買い物&コミュニティ

米沢郷牧場で公開確認会を開催 「資源循環型農業」を確認

2017年10月5日

パルシステム連合会は9月7日(木)~8日(金)の2日間に渡り、山形県東置賜郡高畠町で「米沢郷牧場公開確認会」を開催しました。事前の講習会を修了した監査人と一般参加組合員、生産者、パルシステムグループ職員、関係者など60名が参加し、監査品目の「米沢郷鶏」の飼育状況や帳票などを確認しました。

1
公開確認会は、生産者と消費者の二者が産地で生産状況を確認するパルシステム独自の制度で、1999年からスタート。5年ぶり3回目の開催となる米沢郷牧場は、山形県の東南部に位置する高畠町を中心に鶏や米、農作物を生産しながら、生物活性水(BMW)や発酵菌体など地域の資源を活かした資源循環型農業を行っています。

地域で生まれる資源を最大限に活用

開会に先立ち、監査人は飼料工場、鶏舎、BMWプラント、堆肥センターの視察を行いました。

米沢郷牧場では、鶏を健康に育てるには飼料が大切と考え、配合する発酵菌体を地域で精米時に出る米ぬかとBMWなどを使い自前で作っていること、輸入飼料をできるだけ減らすため、飼料米を導入していることを確認しました。また現在、飼料米だけでなく、地域の未利用資源(おから、醤油粕など)を活用し、飼料の自給率をさらに高める実験も継続的に行っています。米沢郷牧場の伊藤充考常務執行役員は、「飼料米は現在、飼料に飼育期間の前期10%、後期20%配合しています。さらに、地域の未利用資源を活用した国産飼料99%の鶏の飼育を始めています。これには地域の農家、消費者の想いが詰まっていると感じています」と話しました。

また、堆肥センターでは鶏舎に敷いたもみ殻が活用され、完成した堆肥は地域の農家や飼料米の田畑に還元する循環型農業の一端を視察しました。

さらに、一般的なウィンドレスの鶏舎では鶏はほとんど身動きができず、移動するには他の鶏を踏んでいくこともある状況のなか、光と風が入る鶏舎では鶏が自由に動きまわっており、参加者からは感嘆の声が上がりました。最後に宮城県七ヶ宿町にある滑津農場は、道路を挟んだ向かいに道の駅が隣接しており、ほとんど臭いのしない環境であることを確認しました。

2

国産飼料99%の取り組みも

3

飼育時期に合わせて室温も細かく管理

信頼関係のうえに成り立つ“安心”

開会にあたりパルシステム東京の野々山理恵子理事長は、「組合員と生産者が対等の立場で一緒に、作る過程や意見交換を行うことで、今後の目指す方向や食べ方も含めて確認しあう場になればと思います」とあいさつしました。これに対し、米沢郷牧場の伊藤幸蔵代表取締役は、「食べ物なので安全は当然で、安心は信頼関係がなければ成り立たないと思います。この公開確認会を通じて、二者間の信頼関係を培っていきたいです」と応えました。

続いて、伊藤代表が組織設立のきっかけやパルシステムとの出会いに加え、3つの目指す柱「農家の自立」「自然(資源)循環型農業の実践」「産直・食育・交流」などにについて報告しました。また、伊藤常務を始め各担当者より、一般との飼育や流通の違い、入雛(にゅうすう)からの生産フローや独自マニュアルにおける防疫体制、出荷後の処理や加工場の説明がありました。

4

会場のようす

5

帳票を見て質問する参加者

夢無きものに成功なし

帳票確認後、監査所見が報告されました。パルシステム群馬組合員の渡辺明珠美さんは、米沢郷牧場が実践している循環型農業について、「今、国際社会でも進めている持続可能な開発目標(SDGs)中の『持続可能な生産消費形態を確保する』につながっていると感じ、とてもよい経験をさせていただきました」と感想を述べました。

パルシステム連合会の江川淳産直部部長は監査人のまとめとして、防疫状況が厳しいなかの視察受け入れに対し感謝を伝えながら、「米沢郷牧場は、垂直的統合(インテグレーション※)形ではないため、独自性をもった生産ができること、また素早い判断や行動ができることが大きな価値です」と評しました。さらに、「米沢郷牧場はパルシステムを代表する産地であり、この地域のリーダーとして、なくてはならない組織であるということも感じました。今後も経営をしっかり継続させながら、新たなことにチャレンジしてください」とエールを送りました。

監査所見を受けて伊藤代表は、「夢無きものに成功なし――米沢郷は『理想に向かわないと気が済まない』といった、無骨で猪突猛進なところがあります。現在、米沢郷は私も含め2代目に入り、社会情勢や地域とのかかわりにおいて少しズレが生じてきているのではないか、と危惧しています。そのようなところをも含めて、今後若いスタッフとともにしっかり考えながら取り組んでいきます」と結びました。

※飼料の原料供給、鶏の飼育から生産加工・販売・流通まで一貫した経営体制をつくること

6

米沢郷牧場のみなさん

128

飼料米の田んぼも視察

公開確認会に関する記事一覧はこちら