「2016年公開確認会報告会」を開催 信頼関係を築き、向上を確認・共有しあう場

2017年1月25日

パルシステム連合会は1月18日(水)、東京・千代田区の有楽町朝日ホールで「2016年公開確認会報告会」を開催しました。2016年に公開確認会を開催した4企画(産地)について、生産者と消費者がそれぞれ産地の状況や課題を報告し、参加者と生産現場への理解を深めました。

力量を高めあい、次につながる産直を

公開確認会報告会は、各産地で開催された公開確認会を、組合員と生産者それぞれの視点から振り返り、情報共有することを目的に毎年実施しています。今回は、2016年に開催した4企画(産地)について、生産者、組合員あわせて11名が報告しました。

パルシステム新農業委員会の高野祐子委員長(パルシステム福島理事長)は会の冒頭で「今回は総勢224名の生産者、組合員、その他関係者が、自ら目で見て、生産者の声を聞き、確認しあうことの大切さを学びました。公開確認会が始まって18年。2017年度は、この間の提案や要望をふまえ見直しを検討します。また、検疫の規制などで実施できなかったたまごや畜産について、足を踏み入れなくてもできるやり方など工夫し、開催を検討します」とあいさつしました。

また、報告後のまとめとしてパルシステム連合会の島田朝彰産直部長は「総じて2016年度は、生産者から、パルシステムがこの先も取引先としてふさわしいかを試されている感がありました。産直の歴史を体感していない若い後継者世代にも関係を引き継いでもらえるよう、我々パルシステムの力量も高めていかなくてはいけません」と結びました。

各報告の概要は次の通りです。

経済優先社会のなかで、環境に配慮しブランドを維持する難しさにふれた―JA魚沼みなみ(新潟)

「魚沼ブランドを守り続けて来られたのは組織がしっかりしていたからと実感しました。地域の環境改善、生物多様性の課題については、たとえば田んぼのいきもの調査などにも取り組んでいただきたい。魚沼の田園風景を守ることは日本の田園風景を守ることになります」(監査人:パルシステム群馬・米田玲子さん)

「これまで“2者”で真剣に考えたりする機会はなく、気づいたこと、いろいろ学べたことはよかったです。環境については『豊かな田園風景の美しさを破壊したくない』と努力はしていますが、難しいことも多い。また後継者問題も深刻で、今後も引き続き現状や課題など共有し、話し合っていきたいです」(JA魚沼みなみ:高橋宏さん、板鼻昭義さん)

2016年7月5~6日|「JA魚沼みなみ公開確認会」を開催 環境配慮と食味を追求した米づくりを確認

「原木しいたけを食べてもらいたい」の一途な思いが印象的―JAつくば市谷田部産直部会(茨城)

「『菌床にするくらいならやめます。原木しいたけを組合員に食べてもらいたいのです』。『変更は考えなかったのか』という質問への即答が印象的でした。血のにじむような努力で守ってこられたことをまわりに伝え、私たちも原木しいたけや里山を守っていきたい。袋詰めの際、毛髪混入防止に帽子着用を提案したところ、翌日には改善されていました」(監査人:パルシステム東京・瀬戸朋子さん)

「福島の被災地域の原木生産者に伐採をあきらめてもらった――確認会で原木調達の話をしていたら、当時の思いがよみがえり泣きながらの説明になってしまいました。震災から5年経ちましたが152名の方々に耳を傾けていただき大変ありがたかったです」(生産者:JAつくば市谷田部産直部会・飯泉厚彦さん)

「頭の下がる思いです。きちんと話をすれば購入につながり、利用も戻ってきていると思います。この思いを伝えていきたい」(監査人:パルシステム東京・樋口彰子さん)

2016年9月27~28日|「JAつくば市谷田部公開確認会」を開催 | 原木しいたけと里山の再生に挑む産地を確認

生産者と消費者をつなぐミラクルバナナに感謝―フィリピン・オルタートレード社(ATC)

「私たちが利用するバナナが生産者のくらしを支え、よりよい社会づくりにつながっていることがよくわかりました。海を越えて『産直4原則』が実現されていること、それにはATCとオルター・トレード・ジャパン(ATJ)の役割が大きいことも知りました」(監査人:パルシステム神奈川ゆめコープ・田村由美さん)

「栽培だけでなく、買い付けやパック作業など、生産者が主体的に担えるようになることを目指しています。この公開確認会を通して、いろいろな気づきや学びがありました。それらを生産者とともに考え、活かしていきます」(ATJ:黒岩竜太さん)

2016年10月3~9日|「フィリピン・オルタートレード社(ATC)公開確認会」を開催 安全なバナナがつなぐ海を越えた産直交流

“土”にこだわり、厳しい基準のなか、おいしさを追求―とちのみ会(栃木)

「化学肥料をあとわずか減らせば、エコ・チャレンジとして出荷できるそうですが、おいしさを出すにはその“わずか”が不可欠とのこと。限界を知ることも大事だと思いました。後継者が育っていて、『無農薬で作ってみたい』など大きな夢を持っているのは頼もしかったです。ぜひ青年部を作っていただき交流したいです」(監査人:パルシステム埼玉・谷口洋美さん、関口幸子さん)

「公開確認会を通してあらためて気づかされたことがあります。それは“当たり前”の大切さ。ひとつひとつの作業や確認をきちんと当たり前にやっていくことは実はトラブルの回避になることを学べました。水耕栽培も普及していますが、“土”でしか出せないおいしさがあると思うし、“土”への愛着があるから、これからも自分たちのやり方でおいしいいちごを届けたいと思います」(生産者:とちのみ会・石橋幸洋さん)

2016年10月26~27日|とちのみ会 公開確認会を開催

開催123回となった公開確認会

パルシステムでは1999年から、組合員自らが産地を訪れ、生産者とともに栽培方法や生産物の安全性を確認する公開確認会を実施しています。これまでの通算開催回数は123回(開催産地:のべ136産地)を数え、のべ参加者数は5,267名となりました。監査人となる組合員は、事前に「監査人講習会」を受講することで監査手法を学び、消費者としてのレベルアップを図っています。

2018年度は水産産地での開催も実現できるよう、準備を進めていきます。