年頭のごあいさつ
2018年1月1日
持続可能な社会へ 人と人のつながりを
あけましておめでとうございます。
2017年12月、ノルウェーのオスロでノーベル平和賞の授賞式が開催されました。受賞した国際NGOの核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)は、核兵器の廃絶を定めた核兵器禁止条約の制定に「革新的な努力を尽くした」と評価されています。市民運動が受賞することは異例です。授賞式には、日本からも被爆者が出席し、核兵器の非人道性と廃絶の必要性を訴えました。
パルシステムグループは、くらしを守る立場から世界へ核兵器の廃絶を求める「被爆者が訴える核兵器廃絶にむけた国際署名」に賛同し、組合員へ署名を呼びかけました。その結果、18万2,208筆もの署名が寄せられ、国連へ届けられました。これからもICANはじめ多様な人々との連携によって国内外へ平和の尊さを伝え、戦争のない社会の実現を目指します。
国内外の情勢を見渡せば、行き過ぎた経済自由化の波が世界中に拡大し、格差の進展が新たな貧困を生んでいます。これに対し国連や日本政府は、SDGs(持続可能な開発目標)実現へ向け、動きを強めています。そのなかで協同組合を「役割を果たすべき民間セクター」「連携するステークホルダー」と位置づけています。市場原理だけで解決できない課題の社会的機能として協同組合に期待が集まっています。
SDGsが定める17の目標「持続可能な生産消費形態」「海洋・海洋資源を保全」「平和で包摂的な社会」などはすべて、以前より私たちが取り組んできたものです。こうした活動が評価され、2017年12月、「『ほんもの実感!』くらしづくりアクション」が「ジャパンSDGsアワード」のSDGs推進副本部長(官房長官)賞を受賞しました。
開始から4年目を迎えた「『ほんもの実感!』くらしづくりアクション」は、商品の利用や交流を通じた「作る」と「食べる」をつなぐ活動です。私たち一人ひとりによる小さな行動の積み重ねは、着実に生産者と消費者の相互理解を深めています。今後も、強固な信頼関係の下、持続可能な資源循環型の社会づくりを進めていきます。
パルシステムグループの理念「心豊かなくらしと共生の社会を創ります」を掲げる私たちの真価は、今後ますます強く問われていくことでしょう。人と人をつなげ、助け合う活動を通じて地域社会への貢献していく決意を、あらためて感じています。
時代を見据え、ひとつひとつの課題と真摯に向き合い、社会的役割を果たすため、本年もどうぞさらなるご指導、ご鞭撻をくださりますよう、心よりお願い申し上げます。
2018年1月1日
パルシステム生活協同組合連合会
代表理事 理事長 石田敦史