総合福祉推進委員会拡大学習会開催 「食べる」でひろがる地域の「縁側」づくり
2016年9月13日
パルシステム連合会(主催:総合福祉推進委員会)は、8月9日(火)に東京・新宿区の東新宿本部で学習会「食の課題 地域で解決!居場所づくり」を開催しました。
学習会は、川崎市でコミュニティカフェ「メサ・グランデ」を運営するNPO法人ぐらす・かわさきより田代美香理事・事務局長を招きコミュニティカフェの活動が報告されたほか、誰もが集まれる食堂として始まった地域食堂「めさみーる+(プラス)」と生協とのかかわりについて学びました。パルシステムグループの役職員や関係者など42名が参加しました。
ぐらす・かわさき 「地域の“縁側”として」
ぐらす・かわさきの設立経緯、「食」を通じて地域の課題を解決するコミュニティカフェ「メサ・グランデ」の取り組みから、生協が得意とする「食」を中心にした地域づくりについて考えました。「メサ・グランデ」はスペイン語で「大きなテーブル」を意味します。以前は、地域の中で解決できたような個人の課題も、近年進んできた地域力の低下によって解決できないことが多くなってきています。こうした情勢を受け、地域の人が集うことで、横につながり地域をつくることを目的に「メサ・グランデ」は設立されました。カフェの他、地元野菜の販売、講演・イベントなど「食を通じた地域交流拠点」になっており、障がい者の居場所「地域活動支援センター」としても地域に根付いています。
田代さんは「昔は井戸や縁側など地域が交流する“場”がありましたが、今はその“場”が不足しています。そのために地域コミュニティの希薄化がすすんでいます。まだ出会っていない人たちと出会い、集える地域の縁側のようなコミュテニィの場をつくっていきたいと思います」と語りました。
ぐらす・かわさきでは、2016年より地域食堂「めさみーる+」を始めました。この食堂は、NPO法人セカンドリーグ神奈川が地域の団体や個人と開いた交流会がきっかけとなっています。「子ども食堂」としてだけでなく、だれでも気軽に安心して立ち寄り一緒にごはんを食べる地域の居場所にしたい、地域のセーフティネットをつくりたい、という思いが込められています。現在、食堂は地域や学生などのボランティアが集い、商店街や生協などからの食料寄付やカンパにより毎月1回開催されています。
地域を「食」でつなぐ
セカンドリーグ神奈川の六角薫事務局次長からは、地域自給のかたちとして“人”“場所”“食品”をつないだ地域コミュニティづくりについて説明がありました。
セカンドリーグ神奈川は地域で起業する人の応援や子育て支援全般、交流イベントの開催、各種団体からの受託事業など地域の中間支援に取り組んでいます。そのネットワークを活かした「ふらっと集まる交流会」をきっかけに「めさみーる+」はスタートし、セカンドリーグ神奈川が設立のサポートを行ってきました。その経験を活かし、パルシステム神奈川ゆめコープの大和センターで地域食堂を開設するための講習会を開催したり、衛生や参加者の管理・運営の手法をマニュアル化するなど、その後の取り組みにつながっています。
六角事務局次長は「今後も、さらにフードバンクや行政、学校、地域団体との連携を深め、“人”“場所”“食品”の地域自給型の地域コミュニティづくりを深化していきます」とセカンドリーグの未来について語りました。「食」という生協の強みを活かした地域諸団体との取り組みが、特に参加者の関心を集めていました。