2021年度「消費者志向自主宣言」フォローアップ報告
2022年5月10日
パルシステム連合会は、2021年5月1日に「消費者志向自主宣言」を策定しました。この宣言に基づく2021年度の取り組みの成果を報告します。
(1)理念
グループ理念「心豊かなくらしと共生の社会を創ります」
理念に基づき、消費者と生産者がともにつくる持続可能な社会の実現を志向します。
(2)取り組み方針
理念に基づき「パルシステム2030ビジョン」に定める『「たべる」「つくる」「ささえあう」ともにいきる地域 づくり』を実践します。SDGs(国連が定める「持続可能な開発目標」)が示す「誰も置き去りにすることなく、 すべての人にとって尊厳ある生活を現実のものとする」と同じ視点で、実現へ幅広い参加を呼びかけます。
「パルシステム2030ビジョン」のうち、消費者志向に関連する主な記載(抜粋・太字部分)は、以下の通りです。
<みんなの声を聴き、かついかすこと>
- 一人ひとりの生涯を通じた食と健康なくらしによりそえる、安全で安心な商品を開発し 、その情報を適切に伝えることで、くらしが求める多様なニーズに応えます。
<フォローアップ報告>
- 2021年度は、RSPO認証のパーム油をはじめ環境に配慮して生産された産直原料などを活用した51のパルシステムオリジナル商品を開発・改善しました。特に紙容器を採用した「地球の未来にまじめなボディソープ」では、商品の配達時に使用済み容器を回収して紙製品へとリサイクルすることで、利用者が毎日の消費行動の中で持続可能な生産に貢献できる仕組みを構築しました。
- 組合員と「つくり手」の交流を促進し、お互いの理解を深ることで絆をさらに確かなものにするた めに、「つくり手」を多様な形で応援できる新たな仕組みや機会をつくりだします。
<フォローアップ報告>
- 2020年度に開始したオンライン産地交流の取り組みをさらに深化させ、消費者自身が産地での生産状況を確認する「公開確認会」5企画のオンライン開催を実現し、延べ384名の参加を得ました。また、コロナ禍の影響もあり、米余りに悩まされる国内産地が多くある中、有機栽培米の利用を促進し、年間の玄米供給量が800tを超過しました。
「JAたじま公開確認会」を開催 生命あふれるコウノトリ育む田んぼを確認
- 魅力ある農林水産業と製造業の構築を組合員の声を生かした商品づくりで促進します。「つくり手 」が誇りを持ち、生産や製造の担い手が増えて地域経済や社会が元気になる仕組みづくりに取り組みます。
<フォローアップ報告>
- 産直商品の安定供給と安定的確保に向けて、新たな産直提携産地の開拓を引き続き検討しています。また、牛乳産地を応援する「タオルを贈る運動」は36回目を迎え、1985年より贈呈してきたタオルの枚数は累計260万枚を突破しました。今年度は新たにオンラインカンパも導入し、寄せられた募金は約1万枚分のタオル購入に充当されました。
<未来・次世代のために取り組むこと>
- おいしさを味わうことや食文化の継承、食育を大切にしながら、生産や物流の課題を知って商品を選ぶエシカル消費の考え方を地域社会に広げます。
<フォローアップ報告>
- 毎週1回の宅配事業の特性を生かし、お料理セット(ミールキット)なども活用した食材を使い切る計画購入で食品ロス削減を呼び掛けました。また、旬の素材を取り入れた食卓づくりを継続的に呼び掛け、梅干しやみそなどの手作り保存食や国内自給できる米を中心とした食を楽しみながら実践できるよう提案しました。
- あらゆる立場の人たちの課題に関心を持ち、伝え合っていくことで、お互いの多様性を尊重し 、一人ひとりが大切にされる共生の社会を実現します。
<フォローアップ報告>
- コロナ禍により深刻化する生活困窮者の課題解決に向けて、物流センターでの商品セットの際に必要となる予備分の青果やパンを活用した食料提供の仕組みを構築し、従来からの支援を更に拡大させました。2021年度は、176を超える地域の困窮者支援団体との連携により25,882袋のパンと約27万食分の予備青果を食料支援に活用しました。これらの活動を資金面でも支援できるようパルシステム共済連の下に「ささえあい基金」を創設し、20団体へ983万円を助成しました。
年末年始に5千世帯以上へ食品を提供 不安乗り越えあたたかい年越しを
- 商品の開発・改善により 、プラスチックをはじめとする廃棄物や温室効果ガス 、食品ロスの削減を実現させ、環境に配慮した消費へのきりかえを加速させます。
<フォローアップ報告>
- 2017年度より継続的に取り組んでいるプラスチック排出量総量削減の取り組みで延べ285商品の包材を改善し、排出される重量を100万t以上削減しました。宅配時に使用するプラスチック袋などのリサイクル用資材や繰り返し使用する容器包材の回収呼びかけも強化し、利用者自身による環境負荷軽減に向けた取り組みを拡大させています。
また上記方針の推進にあたり、引き続き法令の遵守ならびにコーポレートガバナンスの強化に努めます。 行動規範の遵守および内部統制システムの適正な運用によって、「正直」「公開」「社会的責任」「他者への配慮」という協同組合(員)倫理の組織的な具現化を図ります。