電力の容量市場制度見直しを求め意見書を政府へ提出 新電力事業者の存続が脅かされかねません
2020年11月19日
パルシステム連合会は2020年11月18日(水)、政府に対し「容量市場制度の見直しを求める意見」を提出しました。再生可能エネルギーを活用する事業者が存続できるよう、約定結果の白紙撤回と容量市場制度の自体の見直しを強く求めます。
意見書は、梶山弘志・経済産業大臣、小泉進次郎・環境大臣、伊藤明子・消費者庁長官へそれぞれ提出しました。
政府は2020年7月、2024年度から小売電気事業者に費用負担(容量拠出金)が求められる容量市場制度で初めてのオークションを実施し、9月に設定された上限価格とほぼ変わらない金額で約定したことを公表しました。
容量市場の目的は、再生可能エネルギーの拡大を見据え、長期にわたり安定した電力供給体制を効率的に確保することにあります。しかし今回の約定価格や制度設計は、再生可能エネルギーを積極的に導入する新電力にとって、一方的に負担が増加し、結果的に新電力事業者が競争上不利な立場に追いやられてしまう懸念があり事業の存続がおびやかされかねません。
電力小売全面自由化は「ライフスタイルや価値観に合わせ、電気の売り手やサービスを自由に選べる」という理念に基づき、スタートした制度です。新電力事業者に不利な容量市場制度の見直しと約定結果の白紙撤回を強く求めます。
意見要旨は次の通りです。
1.旧一般電気事業者に有利、新電力事業者に不利な容量市場を根本から見直すべきです。
2.減価償却を終えた発電所やCO2排出係数の高い電源の市場参加に制約を設ける必要があります。
3.再生可能エネルギー供給能力等をふまえて容量市場の目標調達量を最小化する必要があります。
4.新電力事業者が事業継続困難となることにより、消費者にとって電力会社の選択肢が狭まるおそれがあります。
提出した意見全文は、別紙の通りです。