2020年度「パルシステム給付型奨学金」 新たに奨学生2名を採用

2020年3月31日

パルシステム連合会は2020年1月に「パルシステム給付型奨学金」を創設し、2名の経済的困窮状態にある大学生を採用しました。経済的理由で困窮する若者へ奨学金を支給するだけにとどまらず、生活相談や社会体験などを通じ、自立を応援する伴走型支援をめざします。

モデル事業の2年目となる2020年度は、新たに2名の奨学生を採用し、2020年4月の支給分から実施します。対象となる奨学生(計4名)は、当会が指定する学生生活等をサポートする伴走支援団体一般社団法人くらしサポート・ウィズ(以下、ウィズ)より推薦を得たものです。

新たに奨学生を採用しノウハウを蓄積

2020年度は、新たに採用した奨学生2名に対して日常生活上の指導及び支援を行っている下記の2団体を、面談業務等をサポートする地域の協力団体として指定します。ウィズと地域におけるサポート協力団体が連携することで、伴走支援のあり方をさらに追求し、本格実施に向けた知見や運営ノウハウを構築します。さらに、奨学生の規模拡大を鑑み、各地域のサポート協力団体とも連携できる運用の仕組みの構築期間として位置づけます。

サポート協力団体の主な活動概要は以下のとおりです。

NPO法人ちばこどもおうえんだん
社会的養護で育った子ども・若者の自立を、伴走者ごと支援することを目的に千葉県内で生活クラブ、なのはな生協、パルシステム千葉等が連携して支援活動を実施。奨学金支援だけでなく、資格取得や入学金のつなぎサポートなど学生のくらしに合わせた支援を提供している。社会学者で千葉大学・放送大学の名誉教授である宮本みち子氏が奨学金運営委員会の委員長を務めている。

若草プロジェクト
貧困、虐待、ネグレクト、DV、いじめ、性的搾取、薬物依存、育児ノイローゼなど社会の抱える様々な問題に苦しみ、生きづらさを抱える少女や若い女性の支援団体。具体的な活動として、女性支援(LINE相談の実施、若草ハウス運営、企業と支援の現場を結ぶ活動、若草メディカルサポート基金)や研修事業(研修会・シンポジウム開催、若草プロジェクト支援マニュアルの発行)等を行っている。元厚生労働次官で津田塾大学教授の村木厚子氏が代表呼びかけ人となって活動をサポートしている。

地域を巻き込んだ「伴走支援」が特長

パルシステム給付型奨学金の対象は、学びの意欲を持ちながら世帯の経済的理由から進学が困難な若者に対して、包括的に支援する学費助成制度です。毎月4万円を、在籍する教育機関の就学期間まで支給します。

既存の大学生へ奨学金を給付するだけでなく、生活相談や精神的サポートといった伴走型支援をセットにしていることが特徴です。奨学生には、支援団体が直接もしくはウェブなどを通じ月1回の面談を実施し、生活、進路相談などで精神的なサポートを実施します。

そのほか、年1回以上、パルシステムが開催する社会活動や農業体験などに参加をしてもらいます。これらにより、将来の自立に向けた準備を応援します。伴走支援は、パルシステムの相談事業などを手がけるウィズが担います。

組合員が参加できる支援制度を検討

今後は、ノウハウを蓄積しながら、対象者の拡大やカンパ募集など組合員による支援参加のしくみを整備していく方針です。また、パルシステムグループ内ではすでに、地域の活動団体などと連携した学生の支援活動を実施しています。これらの活動とも連携を深めながら、さらに包括的な支援制度の構築を検討していきます。

学びたい若者たちへ「パルシステム給付型奨学金」スタート  生活相談や社会体験もあわせた伴走型支援