「若者おうえん基金」スタート 厚労省で記者会見 学びや働きで困難に直面する若者に支援を
2019年9月2日
パルシステムが協力する「首都圏若者サポートネットワーク」運営委員会は8月29日(木)、東京・千代田区の厚生労働省で記者会見を開き「若者おうえん基金」のキャンペーン協力を呼びかけました。
施設や里親離れたとたんに困窮
若者おうえん基金は、児童養護施設などによって社会的擁護を受けていた子どもや若者の社会的自立の支援に活用されます。子どもや若者に寄り添いながら伴走型支援を実施する団体や個人へ助成金を給付するしくみです。
社会的擁護を受けていた子どもや若者には、高校卒業などによって施設や里親から離れることで、頼れる人がいなくなり孤立しやすいといわれています。経済的にも精神的にもぜい弱な彼らを支援する環境は不足しており、病気や離職、引越しなどを契機に生活が困窮しやすくなっています。また、虐待などの経験からさまざまな障がいを抱えているケースも少なくなく、信頼できる支援者が日常的にサポートする「伴走型支援」の必要性が指摘されています。
基金では、クラウドファンディングなどを通じて広く寄付を呼びかけ、11月までに2000万円を目標にしています。助成先の公募も同時に実施し、2020年2月の助成を目指します。
伴走する「頼れる大人」を支援します
会見した運営委員長の宮本みち子・放送大学名誉教授は「児童養護施設を出たとたん、子どもたちは厳しい状況から自立を迫られます。彼らにとって、頼れる大人は『心の港』ですが、応援する環境は圧倒的に少ないのが現状です」と説明しました。
顧問の村木厚子・元厚生労働事務次官(津田塾大学客員教授)は「支援活動に携わる人たちもまた、経済的、精神的負担を強いられています。助成によって実態を顕在化させ、社会制度に反映できるよう政策提言していくことも視野に入れています」と、今後の抱負を語りました。
パルシステムでは、電話相談などを委託する一般社団法人くらしサポートウィズを通じ、若者の就労体験提供や事務局機能などによって首都圏若者サポートネットワークの活動に協力しています。