「地域づくり基金」助成団体を訪問 地域住民をつなげ再生の力に

2018年10月26日

パルシステム連合会では、東日本大震災からの復興や持続可能な地域社会づくり(コミュニティの再生)に貢献する目的で「地域づくり基金」を設け、各地の地域活動を助成しています。

10/19(金)~20(土)にかけて、パルシステムグループ会員生協の理事のみなさんが福島県で活動する2つの助成団体を訪問しました。

NPO法人ザ・ピープルの古着リサイクル回収ボックスを市役所で視察

いわき発フードバンク

NPO法人ザ・ピープルは、いわき市で発足した「自分たちの元気な町のために動く」住民主体のまちづくり団体です。古着リサイクルを中心として、障がい者就労支援や災害時の物資提供などの活動を展開してきました。2011年の東日本大震災当時は、いわき市社会福祉協議会の災害救援ボランティアセンターの地域支部として全国各地のボランティアを受け入れ、地域のニーズに応えました。その後、復興支援ボランティアセンターとして、交流サロンの開催など被災者支援活動も継続してきました。

一方で、2万4千人の原発事故避難者を受け入れてきたいわき市では、賠償金打ち切りなどにより生活困窮状態に陥る世帯の急増が懸念されています。「被災者、避難者、地域住民がつながることが再生のための力になる」と語るザ・ピープルの吉田恵美子理事長は、これまでの古着リサイクルのノウハウも活用したフードバンク事業の立ち上げについて、理事のみなさんに説明しました。

ザ・ピープルの吉田理事長からフードバンク事業を説明

近隣スーパーで実施しているフードドライブのようす

元駐車場に建てられたプレハブ事務所には、食品を取り扱うための衛生管理に欠かせない上下水道がありませんでした。そこで敷地内に給排水設備とトイレを設置するために、「地域づくり基金」の助成金が活用されました。これまで近所のお店まで、トイレを借りに行っていたスタッフのみなさんも事務所内での仕事に集中できるようになりました。

自然のエネルギーを楽しく体感!

NPO法人いわき環境研究室は、地域や学校で、子どもからお年寄りまでが楽しめる環境教育を実践している団体です。地域の再生可能エネルギーを身近に感じてもらえるよう、いわき市内に体験型学習施設を設置しています。今回は市内3ヶ所の拠点施設のうち、市から管理を委託されている環境教育体験施設「湯の岳山荘」に設置された自然エネルギー設備を視察しました。

屋根に黒く塗装したペットボトルが設置された太陽熱温水器による足湯

理事一行は、助成金を活用して設置を進めてきた風力、水力、太陽光の発電設備をはじめ、水車による粉ひき体験や太陽熱を利用した足湯、薪ボイラーなどの施設を見学しました。また、パルシステム福島の商品展示会でも披露された、遡(さかのぼ)り水車や風に向かって走る風車を実際に動かしてみました。子ども達に「なぜこうなるのか」という疑問をまず持って欲しいとの願いが込められた学習設備で、広い世代に再生可能エネルギーについて考えてもらうため展開している活動を知る視察となりました。

粉ひきの石うすを設置した水車小屋

パルシステム市民活動助成団体の集いに参加しませんか