インフォーマルサービスシンポジウム2018開催 地域の中で私たちができること

2018年2月22日

パルシステム共済連とパルシステム連合会は1月29日(月)、東京・新宿区の東新宿本部でインフォーマルサービスシンポジウム2018「広げよう!地域の中で私たちができること」を開催しました。

グループ生協の地域活動を担当する組合員や役・職員などあわせて74名が参加。4年目となる今回、基調講演や会員生協の事例報告、それを受けてのグループトークも活発に行われました。

こども食堂の「いま」

基調講演では「各地に広がるこども食堂」と題し、一般社団法人全国食支援活動協力会 専務理事・広がれ、こども食堂の輪!全国ツアー実行委員会 副代表の平野覚治氏に、こども食堂や居場所の役割、多くの人が食支援を必要としている実態や、多世代支援の必要性、全国の事例についてお話しいただきました。平野さんは「現在の食支援活動は個人や任意団体によって支えられているため支援が欠かせない。運営する団体や個人と支援する側、行政を巻き込んだ、横断的なネットワーク作りが必要」と語りました。

良い発想は多様な意見から

次に会員生協事例報告として東京、埼玉、群馬の事例を学びました。超高齢社会、少子化が深刻化するなか、パルシステムはインフォーマルサービス(※)について研究・検討を重ねていますが、会員生協でもさまざまな取り組みがなされています。

(※)介護保険等の公的に提供されるもの以外のサービスのこと。地域住民やNPO、民間企業などが提供する生活支援サービスなどがある。

パルシステム東京「地域連携」

世田谷区との見守り協定締結の際、組合員交流施設に併設されている会議室の活用を提案したことが“地域デイサービス”の活動につながりました。パルシステム東京では運営を支援してきましたが、現在は組合員グループ主体で運営をしています。その後、この取り組みをモデルに江東区でもスタート。現在、地域デイサービスが、担う側・利用者双方の居場所となり、行政・組合員・地域包括支援センターとの地域連携事例となりました。

パルシステム群馬「認知症(高齢者)サポート」

一人暮らしの高齢者が新規加入する際の家族等の第3者情報の登録、受注状況のチェック、情報シートでの気づきの共有等を通じ、高齢者の見守りなど、高齢者のくらしの安心・安全につながる取り組みを実施しています。学習会も実施して、異変に気づける職員の育成も進めています。受注状況に大量注文などの異変があれば、第3者情報登録者に確認をするなど、認知症の早期発見にも役立つような仕組みとなっています。

パルシステム埼玉「いきいきネットワーク」

利用者や応援者の安心、ニーズにも応えた活動内容にするため、制度改定を実施。従来のたすけあい活動を員外利用に拡大し、活動時間ではゴミ出しができる朝7時半から、1回の活動は30分単位で対応するなどの変更をしました。登録者を増やす活動も積極的に行っており、説明会や利用対象者に絞った広報などを行い、年間活動時間を伸ばしています。

事例報告のあと、参加者は3つのテーマに分かれ、自分たちの取り組みにする際の課題やアイディアを出し合いました。今回のシンポジウムには「今後の活動にかかわるよいアイディアが得られた」「多様な意見の中から良い発想は生まれる。ぜひ持ち帰って検討したい」などの感想が出されました。

パルシステムは今後もグループ内で取り組みを共有しながら、インフォーマルサービスの拡大や充実を進め、「心豊かなくらしと共生の社会創り」をめざしていきます。