「ほんもの実感!」くらしづくりアクション連続講座を開催 「子どもの元気ごはん~身体を作る食・身につけたい食事~」
2017年11月14日
パルシステムでは、1人ひとりの選択でよりよい社会や自然環境を次世代へ引き継ごうと、「ほんもの実感!」くらしづくりアクションを呼びかけています。その一環である連続講座の第2回を、10月17日(火)東京・東新宿本部で開催しました。パルシステムグループの組合員や役・職員など、パブリックビューイング6生協9会場の参加者をあわせた総勢155名の参加がありました。
講師は日本水泳連盟シンクロサイズドスイミング日本代表チームなどスポーツ選手の栄養指導、小学生の親子食育講座なども手がける管理栄養士・健康運動指導士の花谷遊雲子(はなたにゆうこ)さん。「子どもの元気ごはん~身体を作る食・身につけたい食事~」というテーマで、豊かな知識や経験、またご自身も小学生のお子さんを持つ母親としての日々の体験をもとに、わかりやすく、またユーモアたっぷりに講演いただきました。
子どもの発育発達には時期がある
花谷さんはまず、“元気な身体と心をはぐくむ食事”は①健康に食べること ②楽しく食べること ③環境に優しく食べることと話し、「なかでも②がものすごく大事で、乳幼児期、学童時期まで心の発育発達にとっても影響します。『おいしいね』と隣で食べるだけでもいいんです。我が家も、超忙しくて夕食が納豆ごはん(笑)というときも、小学生の娘の隣に座り『おいしいね』と言いながら食べています(笑)」と奨めました。さらに、「食育を意識しすぎ、『緑のものを食べなさい』『たくさん食べなさい』では、子どもは『食卓に座るのがいやだ、ママはいつも怒る』、そして『食べることはつらい』と記憶します。しつけもマナーもすごく大事ですが、楽しく食べるからちゃんと消化吸収され栄養になるんです」と強調しました。
また「子どもの発育発達には時期がある」と指摘。たとえば神経系の発育発達がとても著しい乳幼児期から学童期前半までは、さまざまな食べ物にふれることが大事で、丈夫な身体づくりのアプローチになるそうです。「なぜ2歳児は食べ物をベタベタにするのか、緑の野菜を見ると首をふるのか、全部発育発達やからだのしくみに関係しています。それを踏まえ、気負わずあせらずあきらめず、しぶとく子どもと向き合うことが大事」と説きました。
食事と同じく、睡眠や運動も大事
最近は子どもの肥満や疲労骨折、中高生の痩せの早期化など、成長や生殖器の発育発達に関する課題が深刻化しています。本来、エネルギーの60%は、糖質であるごはんなどの主食からしっかりとる必要があると花谷さん。あわせて「1汁3菜をベースにしながら、1品でも栄養が取れるような工夫をしてほしい」と訴えました。また、食事内容と子どもの体をセットで確認し、体格、運動量、消化吸収力、成長のスピードなど個人差があるので、人と比較せず、期間をとおして見ていくことが大切と述べました。
「幼少期からできるだけ食事や睡眠、運動の習慣をつけて、健康を次世代、次々世代に残していくのが私たちにできるすごく大事なことかと思います」と結びました。
閉会の挨拶で商品委員会委員長の反町幸代さん(パルシステム群馬理事長)は、「生きる基本の“食べる”ことを楽しく、帰ってすぐ実践できるわかりやすい内容で教えていただき為になりました。『選ぶ力』が幼少期に育まれていることは興味深かったです。今日のお話と『ほんもの実感!』の取り組みは通じるところがたくさんあり、これからも自信を持って進めていきたいです」とまとめました。