「TPPに対抗!生産者を応援」第4弾 一人ひとりの「選ぶ」が応援につながる

2016年9月13日

ごはんのあるいつもの食卓には、ぬくもりや安心感が漂っています。主食として私たちの健康を支えると同時に、食文化や風土を培ってきた日本の米と米作り。ところが、今年2月に署名されたTPP(環太平洋連携協定)では、その米に関しても輸入を増やす動きが見られ、私たちの食卓や農業への影響が懸念されています。

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収穫時期を迎えた「JAみどりの」(宮城県)の「エコ・宮城県ひとめぼれ」

米の消費は毎年8万tずつ減少

近年、食生活の欧米化や高齢化などにより、米の一人あたり年間消費量はピーク時の50年前に比べて約半分に。全体の消費量も、毎年約8万トンのペースで減り続けています。
TPPが発行されると
・国が一定の枠内で米を無税で輸入することが義務付けられ、枠を超えた分は341円/kg

という高水準の関税が設けられている制度(ミニマム・アクセス)は継続。
・国が輸入業務を負っている米は現行77万tだが、アメリカ、オーストラリアに対し新たに合計年間7万8,400tの輸入枠が追加。増えた輸入米は、今後、主に外食産業や一部量販店などで使用されることが予想される。

TPPで無関税の輸入枠が拡大

「政府は、米のだぶつきを防ぐために備蓄用の買い入れを増やすと言っていますが、安い輸入米が外食産業などで主食用として使われていけば、日本の米が余ってしまい、国産米の価格も下がってしまうかもしれない」と危惧するのは「JAささかみ」(新潟県)の生産者、阿部萬紀夫さん。「JAみどりの」(宮城県)の生産者、齋藤鈴男さんも、「米価がこれ以上下がったら、経営が成り立たず米作りをやめる農家もでてくることでしょう」と表情を曇らせます。

「食べる」人との絆があればこそ

この先も安心して米を食べ続けるために必要なのは、つくる人と食べる人とがきちんと支え合うこと。そこでパルシステムは、「産直」を通し、それぞれの地域での米作りを次世代にきちんと手渡すための仕組みづくりに、生産者とともに一環して取り組んできました。
「米の消費が伸びないのはいかんともしがたいけれど、安定した価格で買い支えてもらっていることが、本当に大きな力になっています」と阿部さん。齋藤さんも、「東日本大震災のときもそうでしたが、苦しいときほどパルシステムとの産直のありがたみが身にしみます。気持ちまで通じていられるようでがんばれるんです」と力強く語ります。この先も、本当に食べたい米を口にし続けられるように、日本人の原点ともいえる田んぼのある風景を残していくために、私たちにもできることがあります。

お米が“当たり前”ではなく、“ありがたい”という気持ち

おいしい米をつくる技術、環境を守る農薬削減など、パルシステムの生産者は全国的にも高いレベル。有機農業などの検査員として全国を飛び回っている水野葉子さんは「これだけ高品質のお米を食べられるのは、生産者のかたがたのおかげ。そのことを意識してお米をいただき、生産者にエールを送ってほしいですね。組合員の方たちに伝えて、みんなで日本の食を守ろうという形にできればいいですよね」と話します。

――2016年9月4回配付「TPPに対抗!国内の米生産者を応援」より抜粋
パルシステムのTPPに対する立場について

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