生協法施行規則の一部改正省令案へパブリックコメント 社会に貢献できる生協へいっそうの見直しを求めます

2013年3月13日

パルシステムグループは3月8日(金)、厚生労働省が検討している消費生活協同組合法(生協法)施行規則の一部改正省令に対し、パブリックコメントを提出しました。より社会に貢献できる生協へ現実に即した活動ができるよう、法改正も視野に入れた見直し検討を要請します。

消費生活協同組合法(生協法)は、パルシステムはじめ国内で活動する生協の根拠となる法律で、1948年に制定されました。2007年におよそ60年ぶりとなる法改正が実施されましたが、社会的弱者への支援や地域への貢献などについて課題が残っていることから、パルシステムなど全国の生協では運用改善を求めるよう要請しています。

厚生労働省が2月8日(金)、生協法施行規則の一部を改正する省令案を公示したことを受け、パルシステム連合会および会員生協、連合会で構成するパルシステムグループ11団体は3月8日(金)、同省に対しパブリックコメントを提出しました。災害時に避難者などに対する物資供給や、生活困窮者などに対する貸付事業への制度整備、事業を利用する多様な要望に対応できる規制の検討などを求めています。

要旨および詳細は、下記のとおりです。

【要旨】

  1. 第11条組合員以外のものに事業を利用させることのできる場合について、さらなる検討を求めます
    1. 広域にわたる避難者への物資供給について、一層の明確化を要望します
    2. 利用サイクルの実態に合わせて、購買事業のお試し利用期間の延長を求めます
    3. 購買事業の利用要望のある多様なケースについて、継続した検討を求めます
  2. 貸付事業を行おうとする生協の貸付資金の安定的な確保のためのより一層の制度整備を求めます
  3. 今回対応されなかった事項についても、引き続き法の改正も視野に入れた見直し検討を求めます

消費生活協同組合法の全文(総務省法令データ提供システム)

消費生活協同組合法施行規則の一部を改正する省令案に関する意見募集について(概要、新旧対照表など。意見の募集は終了しています)

パブリックコメント全文は以下の通りです。

2013年3月8日

厚生労働省社会・援護局地域福祉課
消費生活協同組合業務室  御中

消費生活協同組合法施行規則の一部を改正する省令(案)に関する意見

 

2013年2月8日に公示された消費生活協同組合法施行規則の一部を改正する省令(案)は、広域にわたる避難者への物資供給や、一定の要件のもとで購買事業のお試し利用を認めるなど、組合員以外の利用を可能とするケースが拡充され、また生活相談・貸付事業の発展のための制度整備がなされるなど、生活協同組合の社会的な役割の発揮を促進するものと評価することができ、歓迎すると共に、早急な改正を期待します。

私たちは、コミュニティづくりに参加する生協が、地域社会の中でより一層積極的な役割を果たしていくための制度整備を求める観点から、今回の改正(案)について、以下の点についてさらなる検討がなされるよう要望し、意見を提出します。

  1. 第11条組合員以外のものに事業を利用させることのできる場合について、さらなる検討を求めます
    1. 広域にわたる避難者への物資供給について、一層の明確化を要望します
      今回の改正(案)で示された「震災、風水害その他の災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、一時的に生活に必要な物品の供給が不足する地域以外で避難者に対し、必要と認められる期間物品を供給する場合」についても員外利用を認める省令が新設され、広域にわたる避難者への物資供給ができるようになることは、避難者支援や「助け合い精神」という生協事業の原点の取組みをいっそう幅広く実現できる可能性が広がるものであり、今回の改正(案)を歓迎します。
      この点をさらに明確にするために、被災地外で避難所を設置する行政への物資提供についても、「国・地方公共団体等の委託や要請等を受けて行う事業」の一環として、明確に位置づけられることを要望します。
    2. 利用サイクルの実態に合わせて、購買事業のお試し利用期間の延長を求めます
      今回の改正(案)では、「組合が注文に応じて物品を自宅その他の場所に配送する方法により事業を利用することを希望する者に対し、一月以内の期間を定めて、試行的に当該物品を供給する場合」に員外利用を認めることとされました。生協の事業を利用したことがない消費者にとって、「お試し利用」が認められることは、消費者の選択権を保障するものであり、今回の改正(案)を歓迎します。ただし、ここで述べられている、「一月以内」との期間設定については、事業の実態にあわせた再検討を求めます。
      現在の生協の無店舗事業において、消費者に実際の利用サイクルとその仕組みを正しく理解してもらうためには、「一月以内」との期間設定は妥当とは思えません。無店舗購買事業を未体験で、かつ加入の検討の意思がある消費者が使い勝手や商品内容、事業システムを試してみるためには、それなりの期間が必要と考えられるため、「二月程度」などお試し利用の期間の延長を求めます。
    3. 購買事業の利用要望のある多様なケースについて、継続した検討を求めます
      生協は、組合員の生活の文化的経済的改善向上に資することを目的としているため、組合員の多様なニーズに対応することが最優先と考えておりますが、実際の利用組合員からは、事業サービスエリア外等での利用について、実にたくさんのご要望をいただいております。
      例えば、生協を利用されている組合員が田舎で暮らす高齢の両親等への買い物援助目的で利用を要望されるケース、また組合員の家族である一人暮らしの子供や単身赴任中の家族などについても生協商品の利用を要望されるケースなどが実際にあります。
      コミュニティの課題や組合員のニーズは多様であり、また時代とともに常に変化していくものです。生協の事業は、加入して組合員になった上で利用することを原則としつつも、組合員のニーズに積極的に対応できるよう柔軟な制度整備や法解釈があってしかるべきと考えます。生協の県域制限や員外利用の法解釈について、消費者や組合員の切実なニーズに応える観点から、事業エリア外等での利用制限の緩和についても引き続き検討されるよう要望します。
  2. 貸付事業を行おうとする生協の貸付資金の安定的な確保のためのより一層の制度整備を求めます
    今回の改正(案)では、第202条「短期共済事業のみを実施する組合の資産運用の基準」について、共済事業の資産運用として他組合へ貸付ける場合は不動産等の担保、債務保証法人等の保証等を要するが、「当該貸付金の使途が貸付事業を実施するための資金である場合」は例外として、それら担保や債務保証等は不要とするとされています。
    この改正は、生協の共済事業の「相互扶助」というアイデンティティに基づく社会的役割の一層の発揮のために、多重債務・生活困窮者相談等と連携した貸付事業の貸付資金を生協間協同により安定的に確保するために制度整備がなされるものであり、双手を上げて歓迎します。
    同時に、改正生協法で、上記の貸付事業が、共済を図る事業の一環として位置づけられた(生協法第13条)ことも踏まえて、組合が行う貸付事業の安定化を図るためにも、組合が出資する共済事業を行う連合会でも、附帯してこの事業ができるよう継続した見直しを求めます。
  3. 今回対応されなかった事項についても、引き続き法の改正も視野に入れた見直し検討を求めます
    今回の改正(案)で示された事項は、概ね、この間の日本生活協同組合連合会の改正生協法の見直し要望に応えたものであり、歓迎いたします。
    但し、今回の省令等改正(案)に盛りこまれなかった事項も数多く、法の改正も視野に入れつつ、2013年度中と想定される「5年後見直し」の検討の中での引き続きの検討を求めます。
    特に、生協代理店に関する現行規定(共済代理店の主体を一定の範囲に限定)に対し、組合員の利便性向上や総合的なサービス提供を可能とするため、生協の子会社、及び宅配事業の配送委託会社についても、共済契約の締結の代理又は媒介の業務ができるように見直しを求めます。

 

パルシステム生活協同組合連合会
理事長 山本 伸司
パルシステム共済生活協同組合連合会
理事長 小沼 正昭
生活協同組合パルシステム東京
理事長 吉森 弘子
生活協同組合パルシステム神奈川ゆめコープ
理事長 吉中 由紀
生活協同組合パルシステム千葉
理事長 平野 都代子
生活協同組合パルシステム埼玉
理事長 坂本 美春
生活協同組合パルシステム茨城
理事長 小泉 智恵子
生活協同組合パルシステム山梨
理事長 白川 恵子
生活協同組合パルシステム群馬
理事長 田中 三千夏
生活協同組合パルシステム福島
理事長 和田 佳代子
生活協同組合パルシステム静岡
理事長 山本 伸司

以上

※パブリックコメントは、国の行政機関などが新たな政策や規則などを定める際に、国民から広く意見を募集する手続きのことです。